もうすぐイタリア・フィレンツェでメンズリアルクローズの世界的展示会、第86回目のPITTI IMMAGINE UOMO開催される。ことしも6/16(月)から6/20(土)までひとりで出かけることにした。16年前から毎年行っているのはなんのためか。セレクトショップのバイヤーならともかくテーラーの世界でずっと続けて通っているのは我が恩師である柴山登光先生とぼくのほかにあまりいないかもしれない。イタリアしかない買い付けもあるだろう、今現在のスタイルや洋服をを見て学ぶ意味も大きい。業界のイタリア人とミーティングするのもいい情報が得られる。でも一番重要なのは洋服についての「ストーリー」を探す事。ストーリー、イタリア語でこの言葉に対応するのはSTORIAでイタリアでは物語という意味より「歴史」という意味で使われる事が多い。歴史、来歴、エピソード、そういうものが実は洋服にはとても必要なのだ。良い服地でディテールを選んでいい仕立てをする。さらにそれに「ストーリー」がくけ加えられれば。服は輝く。そういうもんだ。ヨーロッパの旅はストーリーがいろいろな所に落ちている。それを拾い集め洋服に結実されれば、そんな思いで旅をつづけている。
そのための準備をいましている。

航空券
名古屋セントレアからヨーロッパまではルフトハンザとフィンエアーの2社しか飛んでいない。ルフトハンザはなぜか中5日より短い日程だと割引運賃が適用できないのか異常に高くなる。 フィンも良いが、ちょっと違う経路もいいかなと探したら関空発ローマ行きアリタリア便があった。乗換えなしに直接ローマフィウミチーノに着くなら悪くない。もうイタリア通いは30回に及ぶが一番最初に乗ったのは18年前、成田からアリタリア、ミラノ便。ほんとうにはじめてでミラノまでの時間はまるで「永遠」に近い気が遠くなる長さだった。いまやエコノミーの狭い座席で10数時間座っていても苦にならなくなるまで慣れた。行きはローマ、帰りはミラノで燃料サーチャージ込みで158000円。この時期ならまあまあ。

列車の切符
イタリアの特急切符は外国人であろうとインターネットですぐ買える。メールで送られて来た番号を車掌さんに見せるとそれでオッケー。年会費の必要なカードメンバーにならなければならなかったり、自分の切符しか買えないJR東海とくらべてはるかに利便性が高い。数分ごとの日本のダイヤは確かに優秀だが切符についての利便性については日本は残念ながら遅れている。 イタリアはいいかげんな文化だと思われているが、特急なら遅れることもない。

宿
宿を選ぶ第一条件は町の中心に近い事。荷物も置けるし、トイレも確保できる。海外ではそういうことが重要。コンセルジュが必要なときもある。妻と行くときは4つ星、5つ星を選ぶ事が多いが、自分一人だとラグジュアリー感は不要。appleworldかホテルトラベルなどのサイトでバウチャーをプリンタで印刷して持って行けばオッケー。

衣装計画
荷物の大半は衣料となる。ピッティウォモのサイトではお洒落に気を使わなければいけないのは洋服屋としての不文律。だからどうしても持って行く洋服は多くなりがちだがそれは旅で自分の首を締めるようはなものでできるだけ軽くした方が楽になる。お洒落に、そしていろいろ着回すよう周到に組み合わせを考える。そうすることで手荷物だけの旅が可能になる。手荷物だけだとすくなくともロストバゲイジだけは避けることができる。イタリアの六月は摂氏三十度を超す暑さとなる。昨年の夏はサファリジャケットを着たのでことしはロイヤルブルー無地のジャケットにするつもり。ひねりのきいたプリントのシャツを誂えて、ちょっとばかしイタリア男に一矢報いようと企んでいる。

ガジェット 
レポートを書いたり、街の情報を得たりフェイスブックに近況をながしたりするのにMacBookAirを使っていたが昨年冬からI pad mini retinaにすることにしてとっても軽くなった。iphone とこれがあればどこにいてもつながっていられる。ヨーロッパはWIFIが進んでいて、簡単に無料wifiが見つかる。だから3GやLTEの必要は実のところあまり無い。

ホリデイ 
空いている時間には知らない街をさまようことにしている。 イタリアはかっては都市が国家だった。だから知らない街にいくと知らない国に行ったと同じ。ことしは何処に行こうかいま思案中。まだ最終的には決めていないがフィレンツェからピサにおりてジェノヴァに向かおうかとおもっている。ジェノヴァはリグリア海に面した港湾都市で、中世には海洋国家として栄え(ジェノヴァ共和国)、商工業・金融業の中心地としての長い歴史を持つ。丘の上を通る高速道路からジェノヴァの街をながめた事はあるが街を訪ねたことはない。どんな旅になるのだろうか。ワクワクする心を持ち続けたい。

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予約した旅のパーツ。