旅もそろそろ終盤を迎え、明日で最後の一泊となりました。われわれはフィレンツェで開催されるピッティイマージネウォモの後は必ずヨーロッパの街を巡ります。スーツのフォルム、その素材、構成、スタイルの学びはとても重要。ただ、スーツを支える文化的背景を知らないのでは、臥竜点睛を欠き、素敵なスーツ姿が実現できません。街や美術館などを巡り、美を評価する目を養うことで私達が仕立てるスーツに知的なエッセンスが加わると信じています。

旅は巡礼にも似ています。ミラノで泊まったあとはスペインの古都トレドで一泊。完全に保全されたまさにザ世界遺産というべき街。スペインの旧首都だった石造りの堅牢な城壁都市を歩き、教会、美術館を巡りその街を愛したエルグレコの絵画を堪能しました。

トレド滞在を終え、トレド駅からマドリードアトーチャ駅じ戻ろうと駅の窓口に並びました。切符を買う際にパスポートが必要でした。そうなんだと思いながら改札に向かうとX線を使った手荷物検査です。わずか30分のローカル線なのに厳重なのは理由があったのです。

2004年3月11日朝、アトーチャ駅などで通勤列車で起きた同時多発テロが起きたのです。通勤ラッシュ時に爆弾が爆発し、191人が死亡、約1,800人が負傷しました。犯行はアルカーイダ系過激派によるもので、イラク戦争への参戦への報復とされます。ヨーロッパ最大のテロ事件でスペイン総選挙直前の事件は政権交代を招きました。公共交通の警備強化が進んだ結果の保安検査だったのです。

素敵なトレド駅
トレド駅での厳重な手荷物検査
ラマンチャの雲はただ低い

日本でテロといえば安倍晋三元首相暗殺が忘れられません。日本にとって重要な指導者へのテロだったのになぜか統一教会と関連ばかり強調され民主主義の危機という方向に残念ながら議論が進みませんでした。

今、イタリアのジョルジャメローニ首相が来日し高市首相と友好を深めて喜ばしいかぎりです。日本も解散総選挙が近いようです。オールドメディアの扇動に背を向けていい方向に向かって行くよう心から願っています。

世界の宝。マドリード、プラド美術館 ベラスケス像
マイヨール広場でパエリア