すこし前に書いた友人の知多妙楽寺阿闍梨、スギハラがマンゴーをおみやげに遊びにきた。ありがたい。ビームスに買ったパンツのお直しをとりにきたついでによってくれた。スギハラの寺、妙楽寺知多四国八十八カ所巡りを開いた由緒正しいお寺。先日の空海と仏教芸術展の目録を見せながら真言宗の話を聞いた後わたしもビームスにつきあった。

彼とわたしは名古屋車道の東海中学にいっしょに通った友達である。二人とも当時ものすごく流行ったロックが大好き。かれとはちょっとおしゃれなロック、デビッドボウイとかモットザフープルなんかをよく聞いた覚えがある。当時ぼくとスギハラはおしゃれにすごく興味があったのだ。もうちょっと上のおにいさんおねえさんが行く名古屋栄のジーンズショップ、「レッド&ブラック」や東新町のブティック「POP」、栄スカイル裏、さくら館の「赤富士」などに中三の頃から通ったり東京原宿に洋服を買いにいったりした。 いまダメージジーンズといっているものの走りであるツギハギジーンズや、肩にヨークがつきホックのボタンのディテールがおしゃれだった古着のウェスタンシャツなんかを金も無いのに親の臑をかじって自慢げに着たりしていた。Calzeria Hosonoのロンドンブーツなんかを原宿グラスのベルボトムジーンズに合わせてはいたり、そのころ初めて入荷したLEEのオーバーオールなんかも着ていた。いまをさること35年も前のおはなし。その後わたしが洋服屋としてやっていけるようになったのも当時おしゃれに飢えていたのが結果的によかったのかもしれない。

君子の交わり淡き事水のごとし
ということわざもある。スギハラとわたしは好む洋服のテイストもちがうし音楽の趣味も微妙に違う。彼の趣味はトライアスロン、ウクレレ演奏、ペット、クルマ、私の趣味はゴルフ、ボサノヴァギター演奏、イタリア語で一緒の趣味と言えば自転車くらい。けっこうパラレルな関係なのだ。それでもなんかストイックさとかのめり込む姿勢とか「おしゃれ!」と感じるポイントなどに近いものを感じることもある。今回スギハラにつきあってビームスでちょいとヤコブコーエンジーンズにもひかれたがスギハラお気に入りのSWEET YEARSのホワイトデニムを買った。先週スギハラが買ったよりファイナルバーゲンで800円安くなっていた。スギハラはくやしがっていた。こういう感覚を名古屋弁で「けなるい」(うらやましいの意)と言う。

pujo

スギハラに影響され買ったプジョーパシフィック(BD1と同形)これでときどき電車に乗って旅します。近江八幡にて。