当店が買い付ける素材メーカーの中でロロピアーナ社、エルメネジルド・ゼニア社、ドーメル社は日本に現地法人を設立していて、その担当者から買い付けるテキスタイルデザイン以外に素材についての情報をいろいろ聞いています。またこの3社についてはヨーロッパで会社に訪問、見学もしていて、素材の出来上がる環境も直接見ています。しかしビターレ・バルベリス・カノニコ社(通称VBC。カノニコのこと)についてはエージェント制をとっていて、(有)ワイ・オオキさんがエージェントとなって日本マーケット内の服地商社に販売し、テーラーはその服地商社から仕入れるというシステムをとっています。このほうがメーカーとしては販売経費はすくなくすみますが、メーカー担当者からの情報の流れがすくない場合もあります。「いい服地」を扱うのをポリシーとしていますので、どのように「良い服地」なのかというその理由を知っておくべきだと考えていますので服地についての情報は当店にとってはとても貴重となります。サルトリア・イタリアーナの著者でもある長谷川喜美さんがVBCのアンバサダーとして昨年の「テキスタイル・アカデミー」開催などブランディングに活躍されています。とはいえ地方のテーラーまではその素材情報が円滑には届いていませんでした。
このたび、(有)ワイ・オオキを通してビターレ・バルベリス・カノニコ社の素材情ニューズレター「VBConnections」が届きました。中を読むと現在進行中の新素材の情報が記載されています。例えば、天然染料を使った「モンテカルロ」「ラスティックトロピカル」「ウール、ヘンプ、コットン混紡のジャケット」(ヘンプとは大麻繊維}「ストレッチ性能が加わったペレニアル」などに取り組んでいることがわかります。これらのなかで実際、取引商社がどれをピックアップするかは未定ではありますが、将来でてくる素材への期待もあったりします。