3月になりました。
今日から3月がはじまりました。月初めに墓参に行く私ですが、今朝の暖かさならアウターも要りませんでした。もう春が名古屋に到着したのを実感した朝です。こんな日はスプリングコートを着て歩くと、さらに春を実感できる気がします。
オーダーの弱点は出来上がりのイメージしにくさ。
基本的にオシャレ好きな私は先週のお休みも妻と名古屋・栄でお買い物をしました。セレクトショップ、デパートには春のジャケットやアウターが並び、見ているだけでわくわくします。
ショップの店頭には手に取りやすく服が並び、マネキンが着ています。着るとどんな感じになるかイメージもしやすいですし、もちろん試着もできて似合うかどうかすぐわかります。それに比べ当店のようなオーダーメイドのお店は基本的に服地が店頭においてあるだけで完成したスーツやジャケットを想像するのは慣れないと難しいものです。オーダースーツ最大の弱点はイメージしにくいことと言えます。
一般の人なら既製品のほうがかっこいい服が選べる。その考えは十分合理性があります。既製品はオシャレじゃないとお客様が手に取ることはありませんのでデザインはよく考えられています。セレクトショップに並ぶイタリアの伝統的製法で作られているスーツ・ジャケットはわれわれプロが見てもいいと思います。
きれいな店舗でイケメン店員さんが丁寧に接客しているセレクトショップにいると、サイズがあうのなら、既製品のほうがかっこいいのかなとオーダー店の店主のわたしでも思います。
オーダーが絶対的に優位なところ
セレクトショップにならぶステキなお洋服を選び、さて試着。やはり自分の身体にフィットしない部分はあるでしょう。袖丈、胴回りなどは直せても、肩幅などの修理はとてもむずかしいものでお金も当然かかります。オーダーの場合は当然サイズを自由に設定できます。そして絶対にオーダーメイドしかできないこと、それはジャケット丈(スーツの上着丈も同じ)を自由に設定できることです。ジャケット丈もお金をかければ修理できる思われるでしょう。しかしジャケット丈の修理はお金がかかる上、スソをカットするのでポケット、ボタン位置のバランスが崩れます。オーダーはジャケット丈を設定したのち、そのジャケット丈から脇ポケットと胸ポケット、フロントボタンの位置を割り出します。それではじめてバランスがいい調和の取れたスーツができます。またジャケット丈というのはスーツの見え方に大きく影響を与える最重要ポイントの一つです。ジャケット丈が1cm違うとスーツの見え方がずいぶん違うことは当店でサイジングの経験がある方なら理解いただけると思います。身体にフィットする洋服が手に入るのはやはりオーダーの一番いいところです。
オーダーメイドの敷居を下げる。
サイズ設定では既製品よりメリットがあるオーダーメイドですが、上で書いたとおり出来上がりのイメージがしづらいのは事実。オーダーサロンタナカではオーダーメイドの敷居を下げる工夫をしています。
1.ゲージを豊富に用意する。
当店で人気のロロ・ピアーナなどの服地で仕立てた上着・パンツ・ジレをサイズを測るための「ゲージ」としてサイズごとに豊富に揃えています。それを着ることで出来上がりをイメージするのが容易となります。
2.バンチサンプルでなく現物素材を用意する。
テーブルの上でバンチサンプルの小さな服地を見るより、現物の素材を肩から掛け鏡に映すほうが素材感がよくわかり、出来上がりがイメージできます。
3.価格表示は明確に
高級感を醸しだすためか、オーダー店・テーラーは明確な価格表示がされてない場合が多いようです。オーダーサロンタナカはブログ・ウェブサイトにもスーツのできあがりの税込み価格を明示しています。店頭も価格表示をするようにしています。