イタリア語で靴はスカルパと言います。そのスカルパという名を冠した登山靴を7年前夫婦で買って以来、山登りを楽しんでいます。登山靴を履くと足がどんどん前に出てくる感じがして山登りが楽しくなります。先日木曽駒宝剣岳に登った際、妻の靴を観察するとソールと甲の間に亀裂ができていました。登っているときに剥離するとそれこそ命の危険もあります。わたしのほうはまだ亀裂も出来ていませんでした。イタリアのドロミテ地区コルチナダンペッツォもこの靴で歩いた愛着もありましたが、年数を履くと内部の合成樹脂が潮解し突然亀裂ができるおそれがあるとのこと。ですから栄の好日山荘で今回も同じスカルパを夫婦揃って買い直しました。
それからなかなか山登りのチャンスが見つかりませんでしたが、昨日、気持ちいい秋晴れの日だったので思い立って鈴鹿山脈の雄蜂、御在所岳を登り新調した靴の具合を試すことにしました。もし履き心地に問題があってもいけませんので短時間で登れる武平峠からの登山道を選びました。
登山口近くの武平峠の駐車場で厚い靴下で新しい靴を履くとやはり慎重に選んだだけあって悪くありません。さっそく登り始めました。御在所岳は登る時間は一時間半ほどと長くありませんが急な登り坂が続いて岩場もあり、高山に登るトレーニングとして登る人もいます。
登り始めて15分後あたりには通常なら「クライミング・ハイ」になりどんどん楽になるのですが、コロナ禍の間に太ったからか、息もハーハー、足もちょっとふらつき、膝にも不安を抱え、動きが鈍く登るのがキツクなってきます。でもここで止めたら男がすたると勇気を振り絞り、ゆっくり一歩一歩進んでいきました。今回は上にロープウェイ駅に付属するレストハウスがあることを知っていましたから、食料は持参しませんでした。登っている間にお腹が空いてきて、頭の中は食べ物のことしか考えられなくなりました。とはいえ眺望の良い場所にでると滋賀県の山並みがたおやかに広がり、しばし登るつらさも和らぎ、ひさしぶりに山登りに来てよかったなと思えてきます。
やっとのことで頂上付近についたのが2時30分。3時になるとレストハウスが閉まる気がして、あわててレストハウスに着くとまだまだ営業はつづいていました。カツカレーで空腹をしのぐと秋の空気の中に、以前登った鎌ヶ岳がちょっと御在所岳のほうが高いからか眼下に見えます。
新調した靴はまったく問題なく、また登山が続けられそうです。もうちょっと楽に登るため、軽くダイエットしようかなと考えています。