一昨日羽田からローマの前での直行便で午後8時ローマに到着しました。ローマテルミニ近くのホテルで1泊し、早朝ローマからフィレンツェに向かう列車の車中で書いています。

フィレンツェサンタマリアノヴェッラ駅到着

お客様からよく今どんなスーツがいいのか聞かれます。そんな時正しい情報をご紹介しなくてはいけません。たとえお尋ねがなくても現地で通用する正しい洋服を仕立てる義務は洋服屋にはあるはずです。

フィレンツェで毎年1月と6月の2回開催のピッティイマージネウォモでは、イタリア、ヨーロッパ、アジアのバイヤーたちが自分たちの売っている製品を着て1000軒近いブースを展開しています。そんな姿を自分の目で見ることで正しい情報を得ることができます。世界各国でスーツやジャケットのテイストは微妙な差異がありますが、世界各国からブランド、メーカーが参加しているピッティイマージネウォモなら世界のクラシックスタイルを俯瞰的に見ることも可能です。

ヨーロッパ未経験のころ、洋服の情報はメンズEXやレオンなどのメディアに頼っていました。男性ファッション雑誌は実はピッティウォモを取材して、その画像等を日本で再構成しています。

実は宣伝媒体にほかならないメディアは広告収入を得ているメンズブランド、アパレルメーカーの意向に沿ってこれが新しいモードだ、これがクラシックスタイルだと記事を書いています。アパレルメーカーがこれを売ってくださいと言うと、「押し」で現地で流行っているかのように表現することも可能です。嘘をついているわけではないのですが、バイアスがかかった情報であると言えるでしょう。

またデパートのメンズ売り場でウインドウショッピングして情報を得ることはピッティ通い以前はよくやっていました。しかしデパートのバイヤーたちがピッティで得た情報からの間接的な情報でしかありません。

やはり直接行って自分の目で確かめると言うのは本当に重要なことだと体感しております。オーダーメイドの場合、工場に指示さえすればある程度どんなディテール、サイジングも可能です。ともすればひとりよがりな「世界観」のスーツも出来てしまいます。ピッティイマージネウォモを続けてウォッチすることで欧米で十分通用するワールドスタンダードなスーツが実現すると確信しています。

ピッティ会場にて1
ピッティ会場にて2
ピッティ会場にて3
ピッティ会場にて3
ピッティ会場にて5