チャップリンのライムライトを見て以来でしょうか、久しぶりに映画で泣きました。ボブディランのデビュー当時を描いた映画「名もなき者」を見て泣きました。エンドロールが終わってスクリーンに向かって拍手しました。
ボブディランは今までで4回ライブに行きました。最初は19歳のとき武道館で初めて来日するボブディランを見に深夜バスに乗って大介と行きました。残念ながら大介は次の年名古屋大学の屋上で命を絶ちました。ライブはもちろん感動しましたが、ディランは過去を顧みない男で全ての曲はアレンジを変えて演奏します。初めて見るディランは歌も上手いしサウンドも素敵でした。でもこの映画を見た時のように感動はしませんでした。非常に残念な話ですがボブディランのとても重要な部分である歌詞が英語なので理解できなかったからなんです。もう一人一緒に行った現在明治大学の教授をしている管啓次郎は語学の天才で彼はその時でも理解していたはずです。
若い頃から親しんでいたボブディラン。最初はフォークの申し子と思われすぐに民衆に受け入れられましたが彼はそのスタイルを求めているわけでなく、ずっと風に吹かれてを歌う事を望む聴衆を置き去りにしても、常に革新性をたずさえ歌と向き合っていたのです。
お恥ずかしい限りですがこの映画でボブディランの姿がくっきりと見えてきた気がします。
