昭和38年の事件
わたしが忘れようと思っても忘れられない小さな事件が幼稚園の年長のときに起こりました。熱田区沢上の交差点にある妙香園の本店が当家のルーツ。昭和30年前後のことだと思いますがその屋敷で、あるとき祖母が白い蛇を見たらしいのです。これは一大事だということで本店の横に小さな祠をたてて白龍様を祀っていました。そして年に一回、高貴な蛇にまつわる神社ということで奈良県桜井市の三輪明神、大神神社(おおみわじんじゃ)に親戚一同を引き連れ神社詣でをしていました。
小さい私も連れて行ってもらったのですが、名古屋から八木駅に向かう特急の中で従兄弟とはしゃいでいて、ふとした拍子にデコラでできた近鉄特急の窓枠におでこをぶつけて大出血。本来特急が止まらなかった桑名駅で臨時停車して外科に向かい、額をなん針か縫った。当然大神神社詣では母と私はそこでリタイアとなりました。いまから60年前のおはなし。
テレビで思い立つ
今週の火曜日、食事の時三重テレビを見ていてチャンカワイが三重の名所旧跡を訪ねる番組をやっていました。その回は山の辺の道。そこで大神神社の御神体の三輪山には狭井神社から登るとのこと。わたしはまだ小学一年生の時、行けなかった大神神社(おおみわじんじゃ}参拝とその御神体である三輪山に今登らねばという気持ちがフツフツと湧いてきました。そこで思い立ち、お店がお休みの今朝の7時前に家をでて大神神社に向かいました。
まず仏教伝来の地の碑から歩こうと思いましたがパーキングが近くになく、大神神社の前の駐車場に車を止め、登山靴に履き替え、まず大神神社に参拝、あれから50余年無事に生きてきた感謝の気持ちでご祈祷をお願いいたしました。そして高貴な蛇が住むという杉の木に深く頭を垂れました。





御神体である三輪山にご登拝。
三輪山に登るに当たって、もしふさわしくない人が登ることになると急に体調が悪くなったり、怪我をしたりすることがあるそう。狭井神社の社務所でご登拝受付をしました。時間は往復2〜3時間なので決して楽ではない。受付の時に遭難した場合の連絡先などを聞かれ、もし登頂しなくても功徳などは変わらないので無理をしないように神職に念を押されます。入山口でこころして体調をととのえ歩を進める。ここからは聖域で撮影ももちろんスケッチも禁止。だから登山中の画像はありません。水分補給以外の飲食禁止、草木や石なども持ち帰り厳禁。一歩一歩怪我をしないように歩を進めます。途中のせせらぎでは我々を歓迎するカエルの声が聞こえます。467.1mの山だが登り一辺倒で決して楽な登山ではありません。途中で体調が悪くなることを恐れながら無理せず歩を進めること1時間余り、頂上にある磐座(いわくら)に到着。古来から神は巨石に宿ります。その磐座に登りきった幸せをこころから感謝し祈りを捧げました。下山も慎重に一歩一歩。やっと登山口に戻ったときは疲れとともにやっとこの聖地に立った感動がありました。







