ベンベルグは世界で唯一、旭化成だけが生産するキュプラ繊維。植物を原料にした再生セルロース繊維の一つで、吸放湿性に優れ、生地は触り心地がなめらかで上品な光沢を持ちます。ドイツの技術によって宮崎県延岡市で生産を開始してから90年以上経過します。アウターにも使われていますが、一番の用途はメンズやレディースの高級裏地として。ハイグレードなスーツに必須な滑りの良さ、静電気防止、吸湿性などの機能性に優れているためです。価格はポリエステル裏地の3倍から5倍するので安価なスーツにはポリエステル裏地やキュプラ/ポリエステル混紡裏地が使われていますが、オーダーメイドスーツ、ジャケットキュプラ100%一択であるべきと考えています。

キュプラ100%裏地、受難の数年間

すべての当店のスーツにはポリシーとしてキュプラ100%裏地をずっと使い続けていました。実はお客様にはお伝えしていませんでしたが、2022年に旭化成がキュプラ原糸を生産する延岡工場で2度火災が発生しました。2度の火災ということで消防当局も事態を重視し、工場再開、生産再開もスムーズに進みませんでした。なにしろキュプラは旭化成がシェア100%ということで世界のオーダー業界のみならずファッション産業は密かなパニックが起こりました。ポリエステルやポリエステル/キュプラ混紡を使うこだわりの無いテーラーは問題なかったのですが、当店はキュプラ100%を最重視していたため苦悩もありました。ネット等で割高なキュプラ裏地を探し直接買い付けたりしてお客様にご心配かけないよう苦心いたしました。

ついにキュプラ100%無地裏地カラーバリエーション復活

2024年になって旭化成の生産ラインも7割復活し、来年2026年には従来の生産ラインが戻るそうです。本日、縫製工場がストックしているキュプラ100%無地裏地の品切れが解消し、メインであるキュプラ100%サテン無地 AK1800につきましては全色揃うこととなりました。キュプラ100%ツイル無地AK1520も3色復活です。キュプラ100%裏地の無地につきましては標準装備で追加料金をいただきません。

キュプラ100%サテン無地 AK1800

当店の裏地のメインのシリーズAK1800はキュプラ100%無地のサテン織りとなります。7ゴールド 29ブラウン 45ネイビー 47ダークネイビーは多くのお客様に設定した王道です。41ラベンダーは変化球とも言えますが素敵な色です。

キュプラ100%サテン無地 AK1800-1

AK1800キュプラ100%無地のサテン織りの続きです。17レンガ色 12パープルはオーダーらしい色でお客様待望の復活です。18ワインレッド 19ブルーグレーは人気の高い定番色です。

キュプラ100%サテン無地 AK1800-2

実際の裏地の画像です。ポリエステルの裏地のものと比べると着心地は全く違います。この違いは洋服に慣れていない人でもすぐわかるほど。見た目もごらんのようにエレガント。裏地は取り替えることができませんのでキュプラ100%一択には必然性があります。

AK1800-12 パープル この色は人気が高く待望の復活でした。
AK1800-17 レンガ色 落ち着きもあってこの色も待望の復活です。

キュプラ100%ツイル無地 AK1520 

キュプラ100%ツイル無地 AK1520については全色復活したわけでなく水色の丸印がついた17ピンク 22ベージュ 14ダークネイビーのみの復活となります。17ピンクは人気が高い色ででしたのでこの復活も朗報です。

キュプラ100%ツイル無地 AK1520 17ピンク 22ベージュ 14ダークネイビー3色のみ復活

キュプラ100%ツイルダイアゴナル AK1700

ダイアゴナルのような斜めの綾目が見えるAK1700はセレクトショップのスタッフにも人気の高いキュプラ100%裏地です。17ワインレッドと28ブラウンの復活です。

キュプラ100%ツイルダイアゴナル AK1700