またジレと上着のゲージを増やしました。
当店は日本国内の縫製工場でその工場の最高グレードのみを扱っています。縫製工場に送る前、お客様の採寸データを作成しますが、さまざまな体型のお客様の採寸、サイジングに正確を期すために、多くの洋服サンプル=ゲージをとりそろえています。現在でも47着の上着のサンプルと、4系統で計約40本のパンツゲージを用意しています。素材をお決めいただき、お客様の体型に近いゲージを着ることで完成した状態をイメージしやすく、安心して出来上がりをお待ちいただくことができます。
このたびサイズとサイズの間を埋めるためにさらに2体のゲージとスリム体型のジレ4体あらたに加えました。
ゲージとは
当店の場合、柴山登光先生が作成した上着の設計図(パターン)にもとずき国内縫製工場で、例えばイタリアンサイズで40、42,44,46,48.50,52,54,56,58とサイズ別に上着を仕立てます。この設計図に基づいたサイズスペックがわかります。そしてその上着をゲージ(=ハカリ)と考えます。例えば肩周りは50サイズがいい感じで、ウエストは46サイズがいい感じなら、工場にサイズを指定する指示書に、ベースのパターンを決め、肩周りは50サイズ、ウェストは46サイズで記載します。そして縫製工場にあるCADで指示書どおりの設計図(パターン)を生成しパターンをCAMでカットします。この技術を習熟すると仮縫い無しで正確にお客様にぴったりなスーツができるのです。
ゲージを多く用意すると精度が高まります。
当店のスーツをすべて設計している柴山登光先生のパターンはさまざまな体型に合わせやすい特性を持っています。その特性に加え、細かいサイズの違いをカバーするゲージを多く用意すると、採寸とサイジングの精度がどんどん高まり、仮縫いがなくても美しいクラシックスーツを仕立てることが可能となります。
外販できない理由は多くのゲージが必要だから
当店は採寸サイジングに正確を期すため、お客様に名古屋の当店にご来店いただき、店内にある多くのゲージを使いオーダー承っています。20年前は外販もしていたので多くのゲージをトランクに入れ、重い荷物を引きずりながら地方でオーダーを承っていたほろ苦い思い出があります。今あるゲージをすべていれるなら大きいトランク5つは要るでしょう。
経験値だけに頼らない。
1982年以来ずっとテーラーという仕事を続けて、4万着以上のスーツの採寸を経験いたしました。そんな今でも経験値だけに頼らず、ゲージを何着も着ていただいて、お客様と出来上がりのイメージを確認、共有しながら毎日サイジングしています。