つい先日一年が始まったと思ったらもう師走。走るのは師匠だけでなくて一番走っているのは時そのものだと思うこのごろ。
11月はいろんなことがあって、大変な月でしたがちょっとホッとしたくて箱根までドライブしました。朝方は天気がよかったのに箱根の峠を越え、芦ノ湖が見える頃には雨が降ってきました。その景色は秋というよりやはり初冬。今回のドライブのお目当てはポーラ美術館。仙石原に近いポーラ美術館はアーティゾン美術館とならび称される優れた作品を所蔵する美術館でずっと行きたいと思っていました。
芦ノ湖畔からは車で15分ほど走った山の中にあるモダンな美術館。雨そぼ降る山の中なのに名品をもとめて多くの人が来館していました。ちょっとルーブルのエントランスホールを思わせるエスカレーターを降りると3フロアで構成されています。この日はゴッホ・インパクト 生成する情熱と題し、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの絵画とそれに強く影響された日本と外国の作家そして森村泰昌のキュレーションでした。
ポーラ美術館の所蔵するゴッホも質の高いもので作品群は日本を代表するコレクションというべきです。この美術館はポーラを一流企業にしたポーラ化粧品の元会長鈴木常司氏が集めたコレクションを幹としています。鈴木氏は美術品の収集家でしたが、特定のアドバイザーを持たず、美術の専門書によって独学で美術史を学び、その知識を収集に活かすことで19~20世紀の西洋・日本美術の歴史を追うことのできる体系的な西洋絵画コレクションを作り上げました。
作品を見るだけでなく、この絵画たちはどういう経緯でここにいるのか、そしてなぜここに所蔵されたのか、そのコストも含め、美術品の数奇な運命を思い起こさせてくれた美術館でした。











