今朝、エルメネジルドゼニア社の本年秋冬の新作スーツ、ジャケット素材が当店に入荷した。これで当店が扱うイタリア2大織物メーカーの入荷が完了した。この2社には共通した部分がある。第一にロロピアーナもゼニアもイタリアピエモンテ州ビエッラ地方の北の丘陵地に工場がありきれいな水の供給が容易な地にある。第二にロロピアーナ社素材が入荷した時のブログにも書いたが両者とも原毛の輸入から製織、フィニッシングひいては販売リテールまで自社で行っている。両社とも名前だけのライセンスブランドとは全く違う「モノ作り重視のメーカーブランド」なのだ。現在では生産のグローバル化が進み、今回のロンドンオリンピックでもアメリカ選手団のユニフォームを「ラルフローレン」にまかせたらすべて中国製だったという笑えない話もある。エルメネジルドゼニア社、ロロピアーナ社はそういう安易なグローバル生産に背を向けひたすらイタリア、ピエモンテ州の自社工場で自社の名前を冠して誇れる素材のみを地元住民の雇用を守りながら生産している。
また両社とも特筆すべきは年ごとの品質のばらつきが少ないという事。毛織物製品は実は「農産物」でありワインなどと同じで天候によってことしは羊毛の出来がいいとか悪いとかあるものなのだ。しかし両社の素材はことしは全体的に固いとか柔らかいとか年ごとのバラツキを感じた事はいままで無い。それは原毛や糸のコントロール(管理)がしっかりしているためだろう。
今回のエルメネジルドゼニアのコレクションでは今までの人気素材に加えて「14mil mil 14」のジャケットが登場する。これはカシミアより細い極めてファインなウールで作られたジャケット素材。クラシックな数種類の柄しかないがその肌触り、素材感は卓越したものがある。「14mil mil 14」についてはまた近いうちに写真付きで詳しくおしらせしたい。
エルメネジルドゼニアの工場hこちら「トリヴェーロ」。
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