金曜の朝10時、名古屋清水口に住むサンレモ出身のイタリア人ナディアカラット先生に毎週イタリア語を習いに行っている。ながく習っているがイタリア留学するとかイタリア語検定試験に受ろうとかのモチベーションもないので 慣れるだけでうまくならない。1年に一回イタリアに行き、織物会社スタッフとミーティングする(この場合専門用語を並べることが多いためとてもよく通じる。)とかレストランでカメリエーレ(給仕)と冗談を言い合う時くらいしか実際のところ役に立たない。

イタリアを習うきっかけ
15年前、ロロピアーナのスタッフとイタリアを10日間旅をした。そのころわたしはイタリアの文化、歴史のことは何も知らず、知っているのはバチカンのシスティーナ礼拝堂だけだった。そんな無知な私だったがそのとき街で話されるイタリア人の言葉を聞いて直感的にイタリア語って聞き取りやすいと思った。またもうひとつの理由、今でこそセレクトショップや伊勢丹メンズ館などメンズファッションの世界は元気があるが15年前の日本は女性ファッションばかり注目されていてメンズは隅に追いやられている空気だったのだ。そんなときイタリアはメンズファッションが街に溢れ、普通の市井の男達でもおしゃれに強い興味を持ち、熱く語るのを目の当たりにしてこの国イタリアのことをさらに学ぶ必要が有ると痛感した。またテーラーつまりサルトがとても街の人々にリスペクトされていたのも新鮮な驚きだった。手仕事なので1年に何着も縫い上がるわけではないが、1年先には僕のスーツをサルトがつくってくれるのさとロロピアーナのスタッフは心待ちにしていた。そんなイタリアの服飾文化がとても魅力的に思えた。

その後、例えばper favore(お願いします。) とかposso~(〜できますか?)など簡単なイタリア語と英語のミックスでイタリアを旅行していたがそれではつまらないと思い、9年前、家の近くでイタリア語教室を見つけ筒井見芳先生に習い始めた。それからジェルマーノ先生、マテオ先生などを経て私の娘の同級生のおかあさんでもあるナディア先生に教えてもらっている。もしこのブログを見た皆さんがイタリア語を名古屋で習いたかったらご紹介いたしますよ。

イタリア語を話すよろこび
日本から長いフライトでイタリアに入ると、いきかう人々の話す言葉がすこしづつ理解できてくる。イタリアに来たんだと実感が湧く。ピッティウオモでは日本の大手セレクトショップのバイヤー達をよく目にする。でもみんな通訳をつかっていたり英語で話していたりする。そしてアテンドといって現地商社の駐在員が彼らの出張をすべてを段取りした中で行動している。わたしの仕事はまずそんな大手商社も介在していないので旅の間じぶんの足で歩きじぶんの言葉で交渉する。煩雑な事も多いし危険も有るかもしれない。でもそれが日本文化というフィルターを離れ、本当の意味の「旅」を味わうことができる。その大事なツールが学んできたイタリア語となる。仕事においてもイタリア人ファッション業界などたどたどたどしいイタリア語で話を交わしていると「陽気」の一言で形容できないイタリア人のメンタリティに触れることができるのだ。イタリア語を学んでよかったなあと思うのはそんな瞬間だ。

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ナディア先生(右)とお母さん イタリア料理店にて