金曜日の午後、ドーメルのパリ本社からコマーシャルディレクターのRichardさんが来店した。ドーメルは以前から有名英国毛織物マーチャントだった。なぜマーチャントと言われているかというと服地商社で織物工場ではないということ、スキャバル、ホーランドシェリー、フィンテックスも同じくマーチャントでそれに対して織物工場はミルといわれている(イタリア語はラニフィーチョ)。10年前ブランドを一新し英国毛織物メーカー「ミノバ」を傘下におさめロロピアーナ、エルメネジルドゼニアとならんで世界的紳士服地メーカーとなったドーメルは現在オーダー業界でとても人気のある存在だ。かってはトニック、スポーテックスなど堅くがっちりした素材が得意だったが今の人気素材と言えばツヤの美しい「アマデウス」「アマデウス365」となる。

いちテーラーだが世界のトップメーカーのスタッフが直接表敬に来ていただけるのは光栄な事だと思っている。Richardさんはパリ在住だが英語とイタリア語がとても堪能だ。以前イタリアビエラ地区に住みイタリア毛織物メーカーにウールを供給する仕事にたずさわっていたそうだ。初め英語で話していたがそのうちイタリア語で話すことになった。英語で話すとついついsi(yesのイタリア語)と言って混ざってしまうし。英語の単語もかなり忘れてしまったのでイタリア語で話す方が楽だ。Richardさんも毎年ピッティウオモに行っているといってたので来年一月もたぶん会えるはず。
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ドーメル社 Richerdさんと オーダーサロンタナカにて

現在ドーメルの本社はパリでありロンドンは支社になる。今年一月ロンドンセヴィルロウ近くのドーメルロンドン支社に立ち寄った。スタッフのパトリックはアイルランド出身、沖縄まで空手の師範に会いに行ったこともあるほどの親日家でナイスガイ。東日本大震災のおりにはどう助けたらいいのかと何度もくどいほど日本のオフィスに連絡があったという。
そんなこともあって次のシーズンは春夏素材「トロピカルアマデウス」の収益のなかから南三陸町に桜の苗木を植えるプロジェクト「KIBOU311」を世界規模で行う。当店もこのプロジェクトに参加するべく「トロピカルアマデウス」の買い付けを行った。 
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 買い付けたトロピカルアマデウス(KIBOU311)