あっと言う間に4月も中を過ぎる。先日ショウウインドウを並べていたらガラスが曇っているのに気がついた。また店をいろいろ見ていたらいろいろ汚れているところもあった。店はお客様を迎えるいわば「晴れ舞台」であるのできれいにしておかなければと日常の掃除とは別にダスキンさんに来てもらって3人掛かりで大掃除をした。店の前のテントも看板もすっきりした。ちなみにこの看板は名古屋の看板の名店「栗田看板店」の手による作品だ。この看板に恥じない仕事をしたいものだ。
夕方近く、縫製を担当してくれているスタッフと御幸毛織のスタッフが来店。日頃の労をねぎらうべく100年以上つづく名古屋を代表する居酒屋「大甚」に出かけた。先日東京代官山TSUTAYAでメンズクラブの創刊当時つまり1960年代終わりころのバックナンバーを見ていたら写真家浅井慎平が名古屋紹介で大甚のことを書いていた。その様子がいまの大甚の店内と全く同じでおもしろかった。 浅井慎平氏もときどき大甚ですがたを見かける。ここは木のテーブルに総菜が皿に盛っておいてありこれを客自身が選ぶ。また冷蔵ケースには刺身や食材がならんで料理法を指定する。まさに酒飲みには天国のような店である。はいるとぎゅうぎゅう詰め込まれるのではじめ居心地がけっしてよろしくないが、賀茂鶴の樽酒の燗を一本空ける頃にはすっかり大甚の空気に染まってしまう。私どものスーツ、ジャケットを設計している日本を代表するモデリスタ柴山登光先生を以前「名古屋最高のトラットリア」といって大甚にお連れしたらとても気にいって頂いたこともある。
伏見 大甚にて
ここの酒肴は酒飲みにはたまらない。