今日、当店の周りは警備員はいっぱい、日曜日なのに店の前は大渋滞、お客さんはほとんどなし、そして空にはヘリコプター。マラソンの日はこんなもんだ。
もう日中は摂氏15度を超えるようになり春爛漫。ウールカシミアの冬物のジャケットもちょっときびしくなったので昨年仕立てた夏物であるエルメネジルドゼニア・クールエフェクトのジャケットを麻コットンのニットベストに合わせて着ている。夏物はちょっと早すと思われるかもしれないがじつは季節の走りに早めに先のシーズンの服をきるのはけっしてダメではなくて実は粋(イキ)なのだ。それと反対にもう暑いのに冬物を着るような遅れる場合は野暮(やぼ)となる。これは料理と同じで、ちょっと季節を先走った方がいいとされる。たとえば春に料理屋で鰹の造りなどをだされる時、おおもう初鰹かと客が問うと板前は、南の方でとれた鰹が市場に入ったんですよとそんな会話がカウンター越しにはずむものだ。
春は厚い服を脱ぎ、明るいうすめの色の洋服、素材は薄いウールかちょっと麻なんかもはいってもいいだろう。 厚いフランネルにお花見は似合わない。薄いウーステッドが春風にはためくのもいいもんだ。
ここで粋と野暮の関係を考えてみよう。
- 季節を先取りしたほうが粋。いつまでも前の季節の服を着ているのは野暮。季節、旬を重んじる日本人のこころを大事にしたいものだ。
- シチュエーションについて、ちゃんと用意した方が粋、スキー場に来たらスキーの服、ゴルフならゴルフの服っていうのがあるもの。それにふさわしい格好をするのが粋。場より軽い格好をするのは野暮。
- フォーマルの場で、みんなが黒を着ているのにカジュアルスタイルなど野暮の極み。ハズシをねらわずフォーマルのときはみんなと同じスタイルをするのが粋というもの。
- 休みには休みのスタイル、仕事には仕事のスタイルがある。仕事には勝負服に身をかためた本気モードの人が信頼できて、それが粋だと思うし、やはり休みには肩の力の抜けた自然なスタイルが粋だ。