月曜はドーメルジャポンさんに招かれて東京そしてはじめての帝国ホテルで昼食。中二階ラセゾンで洋服業界の二世を囲んでの地ラグジュアリーな昼食会。当日はドーメルの当主ドミニク・ドーメルさんも参加の予定だったがパリからの便がエンジントラブルでその日に着けず残念ながら欠席。とはいえ若いひとたち例えばメンズEXでおなじみの女性テーラー、キーちゃんこと北川さんにも久しぶりに会えたりして楽しい時間を過ごす事が出来た。
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お招きくださったドーメルジャパンの加賀美代表
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メンズEXでおなじみキーちゃんこと北川さんと
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洋服業界の若手とともに帝国ホテルにて
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一皿目 アスパラ
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二皿目 赤座海老

会がお開きになって、夜久しぶりに息子と食事をするという約束をしたから時間が開いてしまった。時間が空くと美術館に行くのが常だがあいにく月曜ですべて閉館となっている。歩き疲れてきたので電車にのることにしてあてもなく神田の駅に降り立った。

神田から歩いて、いまは世界でも有名な街になった秋葉原の手前に須田町という交差点がある。ここにほど近い肉の万世ビルの裏に 以前、母方の叔母がここに住んで一階でちいさな裏地店を営んでいた。東京駅から便利がいいものだから親戚じゅう東京に行くと叔母さんのところで泊めてもらっていた。ぼくも若い頃東京に行くとホテルには泊まったことが無く、いつも伯母さんの家に泊めてもらった。後楽園球場で当時プログレッシブロックで人気の高かったエマーソンレイクアンドパーマーのライブがあった時などは友人のセンダとヨコエも一緒に2晩ここで泊まった。その裏地店を営んでいた従兄弟はぼくが洋服屋をやることになることのを知ると、それなら根津の伊丹洋服店で若手テーラーに向けて裁断教室を開いていた伊丹嘉之先生のもとで裁断の勉強をすればいいと薦めてくれて通うことになった。そんな深い縁のある伯母さんの家だったがここをきりもりしていた従兄弟夫妻が若くして亡くなり伯母さん一人になり残念ながらここの土地建物は人手に渡ることとなった。それ以来行くことのなかった須田町に久しぶりに行ってみた。おばさんの家があった場所は肉の万世の駐車場になっていて改めて淋しい気持ちがこみ上げて来た。この辺りは紳士服に関連した羅紗屋さん、裏地屋さん、ボタンなど付属屋さんが軒をならべている地区でかって近くの神田川沿いにはずらっと大手の羅紗屋さんのストック&ゼノック、ボンロード、マルキシのビルがが軒を並べていたがいまは廃業、移転されて一軒もなくなってしまった。わが家はちいさな羅紗屋だったのでこれら大手をうらやましい気持ちで眺めていたものだったが一軒も無くなってしまったその通りを見ると淋しさがこみ上げて来た。このあたりは神田川が流れ、地面に道路が縦横にはしる上には電車の高架がいくつも空間を区切った特異な景色をもった街でもある。そんな場所の夕暮れを思い出を反芻しながらたたずんでいたら川沿いのれんが造りの建物が目に入った。ここはかった鉄道博物館があったことを思い出した。わたしも子供の時は母親が用事があるとひとりでここで鉄道模型、蒸気機関車や新幹線を眺めていた。鉄道に興味があるいわいるテツだった小さかった息子を何度か連れて行ったこともある。ここは当時からすこし裏ぶれた感じの漂う博物館だった。閉館後は放置されていたらしいが昨年mAAch(マーチ) ecute(エキュート)万世橋としておしゃれな商業施設に生まれ変わったようだ。のぞいてみたら平日夕方で人はあまりいなかったせいもありかっての博物館の雰囲気がうらぶれた空気が突然よみがえってきた。レジの若い女性にぼくが子供の此処によくきたんですよと話しかけてみたがきょとんとした顔をしていた。
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肉の万世ビルの裏、かっておばさんが営んでいた裏地店の跡地
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万世橋から夕暮れの秋葉原 
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かっての交通博物館がおしゃれに生まれかわった。
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なかはこんな空間が広がっている。
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その昔、万世橋駅のジオラマ
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50年前になるか、子供の頃よく行った交通博物館。