この4月からインターFMというFM局が名古屋でも79.5MHZではじまり、朝7時からの敬愛するピーターバラカンさんがDJのバラカンモーニングは愛聴している。知っている曲も知らない曲もあるがぼくの好みの音ばかり流れるこの番組で古いミュージシャンの消息やライブ情報を知ることが多い。オールマンブラザースのグレッグオールマンと仲間達の一夜だけのライブを収録したCD「ALL MY FRIENDS」がリリースされたというニュースを聞いた。
オールマンブラザースバンドはスライドギターを得意とする兄、デュアン オールマンとディッキーベッツのツインリードギターが絡み合うサウンドで知られる。デユアン オールマンはあのエリッククラプトンの名盤「レイラ」のなかで名演奏を披露しフィルモアでのライブ録音を残し残念ながらオートバイ事故でこの世を去った。そののちベースプレーヤーも同じくオートバイ事故でこの世を去り悲劇のバンドともいわれたが「ブラザーズ&シスターズ」というカントリーフレーバーあふれるアルバムで全米一の評価を受けた。ぼくらの世代はどうしてもギタリストのプレイを偏重してしまうきらいがあるがじつはデュアンの弟グレッグオールマンのボーカルがたぐいまれですばらしい。伸びやかで野太く力強く、そしてブルースの味わいあふれるグレッグのボーカルは名古屋公会堂でライブで接したことがあるが、それは素晴らしかった。
高校の頃、お金のなかったぼくと今きんぼし新栄店を営んでいる弟はお金持ちの弟の同級生モリベが買ったオールマンブラザーズバンドの「ライブアットフィルモアイースト」「イートアピーチ」を借りて聞き、このサウンドに惹かれた。土臭く大地に根ざした香りで、それまで席巻したツエッペリン、パープルのブリティシュサウンドを忘れ去るのに十分な魅力がありすぐこのコピーバンドをはじめた。すぐ近所に住んでいた百合草俊之をドラムに仕立て、ギターは弟と粥川。ぼくはなぜかボーカルだった。そのころギターはヒーローだったがボーカルは簡単と思われていた。それでこのパートをうけもったのだが、野太いグレッグの歌声など私が出来るわけないことは一瞬で気がついた。でもみんなはオールマンブラザーズバンドならぬタナカブラザースバンドをおもしろがりステイツボロブルース、ランブリンマンなどを高校の音楽祭などで演奏したのがこっぱずかしい記憶。そして時は過ぎゆき思い出とともに百合草、粥川は天国に行ってしまった。
グレッグオールマンの伝記映画が企画されて中止になったいきさつもバラカンモーニングで聞いた。いま自室でこのCD「ALL MY FRIENDS」を聞いている。CD2枚ととブルーレイが付いて2600円は安過ぎると思いながら一曲目COME AND GO BRUESから永遠の絆まで素晴らしい演奏で気がつけば日が変わるまで聴き続けた。
現在、過去オールマンブラザースバンドにゆかりの面々に加え、ジャクソンブラウン、ドクタージョン、タジマハールが駆けつけ一夜だけのグレッグオールマントリビュートライブをおこなった記録。グレッグオールマン自身も参加。