僕の部屋にあるアルミの楽譜台にここのところ一月くらい乗っているのはビートルズのハニーパイの楽譜。これが今回の旅の始まり。高校生の頃だったかあがた森魚さんの「君のこと好きなんだ」というアルバムを聞いた事があり、それ以来一度聞いてみたいと思っていた。火曜日にふとクラブクアトロ名古屋のウェブサイトを見ていたら、ちょうどその日にライブがあるというので雨の中自転車にのってパルコ東館にでかけた。ステージに上がって最初はちょっと場違いなところに来てしまったかなとおもったが、面白い歌詞とユニークな楽曲そしてそれを歌うあがた森魚さんのいっしょうけんめいな歌にライブが進むにつれて自分自身楽しめるようになっていった。あがたさんの歌を聴いていたら、あれ、なんだかボブディランに似ているなと気がついた。曲の途中のエムシーでボブディランを聞いて音楽をこころざしたとおっしゃっていた。奔放で自由な歌詞や楽しい楽曲などはじめて聴いた曲ばかりだがこころからライブを楽しめた。聞き覚えのある曲ばかりのライブより聞いた事ない曲ばかりやるライブのほうがじつは楽しいかもしれない。知らない街を旅した方がやはり楽しいと同じように。ユーミンの初期のアルバムのすべてのスライドギターを弾いていた日本のペダルスチールの第一人者である駒沢裕城さんやかぐや姫「神田川」イントロの哀愁あふれるヴァイオリンを弾いていた武川雅寛さんなどのバックも豪華ですばらしかった。スライドギターを弾いてすばらしい音を奏でる駒沢さんの朴訥としたお顔をながめていてもそれはそれは楽しい。そういえば駒沢さんと武川さんもいたあがた森魚のバックバンドのなまえは「はちみつぱい」。ビートルズのハニーパイからあがたさんがなづけたそうだ。ここで僕の部屋と時空がつながる。
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僕の部屋にはなぜかハニーパイの楽譜が。この曲はポールマッカートニー独特の諧謔味が有ると思う。
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はじめて見るあがた森魚さんだったがよかったなあ。日本のディランといって良いかも。
先の水曜でかけた池田温泉の湯がたいそう気にいったのでまた出かける事にした。ぬるっとした感触の湯と28度の冷泉を交互に入るとお湯の成分が身体に深く染み込む気がする。ひとりでゆっくり一時間以上温泉をあじわう。昼になったので池田温泉の隣の垂井町のパン屋さんグルマンでランチ。ここはパンのちょっとしたテーマパークのようだ。マダム達でにぎわうカフェのかたすみでパンをいただくがこんな時間にほとんど女性ばかりのなかでひとりランチをするのはなんだかはにかんでしまう。コーヒー極めて美味。ここに来るすぐ近くに南宮神社と書いた大きい鳥居があったので立ち寄ってみる。南宮山の麓にあり古いお宮らしい。社伝では、崇神天皇の時代に創建されたとされる。「国府の南に位置する宮」として「南宮」を名乗るようになったとされる。鉱山を司どる神である金山彦命を祭神としており、全国の鉱山・金属業の総本宮として古くから信仰を集めている。境内には江戸時代の遺構18棟が残っており、国の重要文化財に指定されている。(ウィキペディアより)南宮山も登れるそうだが、かよわい靴を履いていたので登山は断念。美濃の国一宮とのことだが、尾張一宮といえば真清田神社である。そこにも行かねばと思い立った。
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垂井町グルマン
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垂井町グルマンでのランチ
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南宮大社
実は2年前の御遷宮の際、友人のノダと伊勢神宮に行ったのだがその際、真清田神社に服織神社があると聞いた。「服部」ときいてまず日本人ならハットリと読む。でもこれがなぜハットリと読むのか、ハットリはつまりハタオリなのである。服の部つまり服を担当する民たちはハタオリをするという意味のつながり。租庸調の昔から日本人はその衣服の材料を作る機織りは米作りと同様もっとも重要な仕事のひとつだった。いまでは衣服はユニクロで買えば千円そこそこのものだが、かって昔は命を賭して生産するものだった。かっては貴重な物だったことがこの服織神社にもそれが受け継がれている。洋服屋ならここに行かなければとここに参ったのが56才の齢を得てはじめてだということを恥じ入るばかり。
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真清田神社
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真清田神社 正殿
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真清田神社 神域内 服織神社(はとりじんじゃ)
3月の2日といえば尾張国府宮の難追で裸祭りである。その次の日はおさがりの鏡餅をいただく日なそうな。せっかく真清田神社に来たので国府宮にも足を伸ばすことにした。実は国府宮に行ったのが灯台下暗しとはいえはじめて。これで美濃尾張の三社に参ったことになる。ありがたきかな我が休日。
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稲沢市 国府宮