先の金曜日、東区赤塚にある時計の名店ヒラノにでかけた。店主のヒラノさんはフィレンツェをこよなく愛するジェントルマンで話があう。フィレンツェの話題に花が咲き楽しい時間をすごすことができた。たまたま昨日履いていたのは11年前フィレンツェのオーダー靴店マンニーナでビスポークした革靴。ポンテベッキオから南に行った店に立ち寄った際にはいつもご主人にエスプレッソをごちそうになった。ヒラノさんもマンニーナさんを贔屓にしていたが残念ながらご主人は昨年亡くなったとヒラノさんから聞いた。とてもすてきなご夫婦で奥様から今年のピッティウオモはどうだったかと尋ねられ、覚えたての拙いイタリア語でその年のピッティウオモの様子を説明したことも今となっては懐かしい思い出。

その時作った美しいブラウンの革靴は今も健在でさすがに世界に冠たるフィレンツェの革を使った靴は歳月を経て味わいが加わりすばらしさが際立っている。革靴だけはすこし無理しても良い物を履いた方が良いということがここでも証明される。ただ良い靴といっても当時オーダーメイドそしてハンドメイドで作って60000円程度で決して高くなく、昨今国内で英国製の靴を買うと10万円を越える靴インフレとは一線を画している。 この靴を作ってくれたマンニーナのご主人はこの世を去ってしまったが彼の魂を宿したこの靴はまだまだ日本の地でくらす僕の足下で生き続ける。これからもずっと。

2004年当時、マンニーナでオーダーしたときのことを書いたウェブサイト

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2004年フィレンツェ、ポンテベッキオ近くのマンニーナにてマンニーナご主人夫妻を撮影、ご主人のシャツのカラーのエレガントさに注目。
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ご主人みずから足の採寸、そして半年を経てビスポークが出来上がる。
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出来上がった2004年から11年を経て今日なお威厳あるフィオレンティーナスタイル