初めてレコードを聞いたのは新守山駅から歩いてすぐのキタハラの家。その白い家の空気の匂いを今でも覚えています。それまで聞いていたしちめんどくさい音楽はなんだったのか。音楽にリクツもバックグラウンドもギターのテクニック競争もブルースの知識もあるものか。歌の心があればいい。そんなことを教えてくれたのがエルトンでした。

妙ちきりんな格好やルックスが少しばかり悪くても関係ない。エルトンの歌は僕の心に染み入り、わからない英語の歌のはずなのに16歳の孤独なぼくを励ましてくれました。

今でも地方に旅してカラオケのある場末のスナックに行き、興が乗ると空で覚えているグッバイイエローブリックロードやユアソングを歌い、場をフリーズさせることも。

エルトンの自伝ミュージカル「ロケットマン」を一人で平日10人くらいしかいない、がらんとしたシアターで見ました。作品の良し悪しはともかくエルトンの人生とそれと全く関係もない貧しいぼくの若い頃が頭の中で入り混じっていました。ちょろっと涙が出たかもしれません。

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