梅雨が明け低気圧が去り、ほんとの夏が名古屋にやってきました。お店から一歩外をでて歩くと、まるで刺すような強い夏の陽光。日なたを少し歩くだけで陽が当たる首や耳が痛くなってきます。急いで店に戻り、顔を冷たい水で洗って、スッとするシーブリーズを肌にふりかけました。

こんな光はどこで経験したことがあるはず。記憶をたどると、2005年、エルメネジルド・ゼニア社の企画でイタリアを訪ねる旅で一行を乗せたバスを降りた瞬間の強い陽の光。気温は摂氏37度、場所はイタリア、パルマ。イタリアは地中海性気候なので夏もさわやかだと聞いていましたがさすがにこの気温と光は暴力的でした。影の場所はまだそれほど暑くなかったのですが、ひなたを歩くとぼーっとしてしまうほど。肩に斜めにかけたバッグに水のペットボトルが入っていないと命の危険を感じたのはこのときだけです。

この時点で摂氏37度、パルマ。店主46才 右ゼニアジャパン澁澤氏と左現VBC ブルーノランディ氏

イタリアは小さな町でも大きい都市でも街の中心部(チェントロ)には必ず広場があります。この暑さの中は人々は広場のまわりの建物にできた影を伝って歩きます。強い太陽光で身の危険を感じながらフィレンツェ中央駅近くのサンタマリアノヴェラ広場を歩きました。広場のまんなかの陽のあたる場所には誰もいません。こんな景色どこかでみたことがありますよね。はい、それはジョルジュ・デ・キリコの絵画です。あの絵はシュールレアリスティックな絵というよりイタリアの夏の昼下がりのよくある光景なんだとあのとき体感しました。

ピッティ会場バッソ要塞で日陰に人々が集まる図 2005夏フィレンツェ
デ・キリコ展目録から これはイタリアの夏の典型的風景かも。
夏の光が強すぎてハレーションのピッティイマジネウォモ2005