ことし名古屋の桜をじゅうぶん堪能しました。この季節が終わるのがどうにも名残惜しく、先の休日、まだ花の見頃が続く吉野へ、朝6時台の近鉄電車に乗って向かいました。英国のウインザー駅にも似た終点、吉野駅の改札口を出ると下千本の桜が満開をむかえていました。目指す山ごとすべて桜の絶景を想像しながら中千本までのバスに乗り、中千本に着くと曲がりくねった登り坂を花矢倉を目指して歩くこと40分。ふりむくと遠景に蔵王堂まで続くの桜の回廊が望めました。そこにあるのはいにしえから多くの朝廷、貴族、武士、そして民たちが命を懸けて愛でた吉野の桜。

吉野は5度目ですが、雨で花矢倉からホワイトアウトしてなにも見えなかったこともあります。今回は幸運にも花の香も芳しい吉野をいっぱいに味わいました。人の多い金峰山寺蔵王堂までのメインストリートを避け、後醍醐天皇陵など歴史の舞台となった如意輪寺を通る山道を歩くと春が満ちています。吉野ののいい時期はまさに一年の中でもほんの「瞬間」。そんなA day in the lifeを味わいました。

近鉄吉野駅前の桜
バスを経由して40分登り上千本水分神社。ここから下る。
花矢倉から望む吉野桜の回廊
中千本から如意輪寺に向かう道すがら。
如意輪寺までの道。谷を埋める桜
如意輪寺から
如意輪寺、枝下桜
吉水神社からの一目千本の眺め。
金峰山寺蔵王堂と桜