秋晴れの空の下、昼間に外を歩くのにも快適になってきました。今日はパリからお客様がいらっしゃいました。パリにヘッドクオーターを置くドーメル社の代表となったリチャードさんがスタッフを連れて表敬訪問いただきました。
ドーメル社とお取引してもう20年近く経ちますでしょうか、ツヤが美しく仕立て映えするスーツで若い人に人気のある、アマデウス365、アマデウスは当店でも代表的素材に育ってきました。何度か食事もしたことがあるリカルドさんはイタリアに住んでいたこともあり以前はピッティ・ウォモでミーティングしたときはイタリア語を使って会話をしました。リチャードさんはボンジョールノ、コメスタイ、と元気よく入店。私もストベーネと返しましたがコロナ禍のせいで長年続けたフィレンツェで行われる毎年のピッティウォモ詣でもなかなか行けなくなりイタリア語会話も錆びついてしまい、続いて出た言葉は英語の「Long time no see」(お久しぶり)でした。
世界で最も主要な高級服地メーカーの一つであるドーメル社の代表が当店を当地の主要な顧客と考えて、来ていただいたことは、テーラーとして光栄なことであります。
わざわざ来ていただいたので、やはり当店のビジネスの近況を伝える必要があり、ニューヨークに行くためにちょっと練習中のつたない英語でビジネスの進捗状況などをお伝えしました。当店に今、デヴィッド・ホックニーのポスターやリトグラフなどが飾ってあります。リカルドさんは現在デヴィッド・ホックニーがフランス・ノルマンディに家を持ち、精力的に制作しているのを知っていました。リチャードさんがノルマンディにマンションをもっていて、金曜日の夜にパリをクルマで出て、一時間半高速道路を走り、土日はノルマンディの自然の中のマンションで息抜きをするという生活をしているそうです。ホックニーがipadで描いた自然の風景がまさにそのとおりなんだと教えてくれて、ちょっとうらやましい気持ちになりました。