9月がはじまりました。
ゆっくり動く台風に翻弄された8月末は曇り、晴れ、そして激しい雨が目まぐるしく変わる天気の名古屋です。今朝はくもり空の中、一人で墓参し9月の無事を祈念しました。
京都でふたつのアート(2024/9/1)
先月お盆休みの一日、京都京セラ美術館で開催中の村上隆の展覧会を見に行きました。
村上隆は世界のアートシーンで人気のある日本を代表するアーティストです。アート好きな私としては見落とすべきではないかなと出かけました。世界の現代アートで人気のある村上隆の展覧会だけあって、日本人だけでなく外国からの人も多く来場されていてとても楽しそうに見ていました。
この京都展は辻惟雄の著書「奇想の系譜」をいまの時代に置き換えた展覧会とも言えます。
開催中の大規模個展「村上隆 もののけ 京都」。作家・村上隆が師と仰ぐ美術史家・辻惟雄氏の著書『奇想の系譜』は、江戸時代の京都で活躍した多くの画家を紹介し、村上に大きなインスピレーションを与えました。展覧会場では、「奇想の画家」の後継者とも言える村上隆による大作《雲竜赤変図》や《洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip》が来場者の注目を集めています。
村上隆が奇想の画家の後継者かどうかはわたしにはわかりません。ただアニメ系の作品はちょっと苦手ですが彼の卒業した東京芸大の辻惟雄に制作だけでなくたまには書いたらと言われて書いた曾我蕭白の龍トリビュートの絵は画家としての実力を垣間見て楽しめました。
その後京セラ美術館所蔵コレクションの展覧会も見ました。通常特別展を見たあとはコレクション展は無料で見られる場合が多いのですが京都はきびしく別料金。女性作家の特集で梶原緋沙子や秋野不矩のいい作品が多かったのですが、もう少し数があってもと正直思いました。
その後、猛暑のでまるでお風呂の中のお湯に浸かっているような暑さの中、見知らぬ小路を選んで散策。京都の街はインバウンド対象かAirBnBねらいか リノベした町家や古民家が多く小さな宿屋に変わっていたのにちょっと驚きました。猛暑の中をふらふら歩くと途中祇園、鍵善良房を見つけ、思わず避暑。葛切りをいただき涼を取りました。
祇園からしばし歩いてたどりついたのが東山の河井寛次郎記念館、かつての住居をそのまま美術館にしてあり、家の中に巨大な登り窯が鎮座。ひとたび窯に火を入れると薪2000束が必要だったそうです。がっしりした造りの陶器と木彫作品を垣間見て、茶の湯の世界観から離れて実用の世界に美を見出した民藝の人たちの志の高さと技に打たれました。わたしたちの追求するリアルクローズにちょっと通じるかもしれません。