昨日、理解出来ないか心配でひとりで出かけたヴァンダイクパークスのライブでしたがほんとに素晴らしかった。ソング・サイクルを聞いたときの不可解な印象はすべて払拭されました。ライブの最初に演奏したVine steet、この曲は本当はどういう曲だったのか、ライブでわかりました。よくわからなかったレコード、ソング・サイクルもライブの後あらためて聞くととても麗しく聞こえます。ヴァン・ダイク・パークス、ファイナルライブとも言えるフェアウェルツアーで彼の世界にやっと間に合いました。

昨日のライブではたまたま日本に遊びに来ていたロウウェルジョージのお嬢さんイナラ・ジョージが「セイリン・シューズ」を歌って、その息子さんがドラムを叩くのを見ました。イナラジョージはザ・バード・アンド・ザ・ビーというバンドを組んでいてこのCDも2枚持っています。1978年の四月だったか、リトリフィートを名古屋市公会堂の幸運にも最前列で見ることができました。残念ながらロウウェルジョージはその年一枚の素晴らしいソロアルバムを残して、夏、急逝してしまいました。そのロウウェルのお嬢さんとお孫さんの音楽をまた眼の前で聞くことができたことに音楽の深くて強い縁を感じました。

昨日はヴァン・ダイク・パークスの御子息がずっとフラットマンドリンでヴァン・ダイク・パークスのスタインウェイのピアノとすてきに合奏していました。ライ・クーダーの大好きなアルバム、「紫の渓谷」の中の曲「FDR in Trinidad」も演奏してくれました。「紫の渓谷」は一つ一つの音に深みがあって40年聴き続けても全く飽きないまさに名盤ですが実はヴァンダイクパークスのプロデュースだと気がついたのは昨日でした。まさに不明の至りです。ライ・クーダーのこのアルバムにはフラットマンドリンがたくさん出てきます。最近フラットマンドリンを手に入れてちょっとずつ練習しています。それもなんだか縁を感じています。

ビルボード東京のサイトから転載 photo by Ray Otabe