衣食住が暮らしの基本ですが、特にその中の食は生命維持の根幹です。日本食はすべて箸を経由して口に入ります。いつもはその存在を忘れていますが、とても重要なガジェットです。

先日愛用していた箸の先が折れてしまいました。予備に買ってあった塗りの箸を使い始めたのですが食べ物味が変わったような気がしてしょうがありません。しかたなく無印良品で今まで使っていたのに似た箸を880円で買って使い始めました。でもそれはいままで使っていた箸より軽く細いのでなにか頼りないのです。

そこで前使っていた箸を買った店、木曽福島の「よし彦」に家族にドライブに行くという名目で出かけました。母が楽しみにしていたくるまや本店は残念ながらお盆でお客が多く、蕎麦が売り切れ。母はかなりがっかりしていましたが私の目的は「よし彦」です。

「よし彦」はくるまや本店の真ん前。ここは安いものから高いものまで漆製品と木工品中心にそろえてあり、秀逸な品揃えはいつも楽しめます。わたしは日本最高の「木のセレクトショップ」と呼んでいて愛用ののご飯茶碗もここの漆器です。

お目当ての八角形の箸はすぐ見つかりました。手にとってみればずっしり重みがあり、以前はたしか樫の木だったのですが今回は黒檀の箸を選びました。価格は2200円、ずっと使えて安いものです。帰宅後すぐ使いましたがいままでモノクロームのような味わいだった夕ご飯がカラーになった気分です。また折れたら悲しいのでバックアップに紫檀の八角形の箸も買いました。これで安心です。よし彦さんでその時間でも開いている蕎麦屋さんも紹介してもらい、田口の御岳もなかも買いお盆ドライブもコンプリートです。

ひだりがよし彦謹製の黒檀の箸。太さも存在感も違う。だから味が違う。右がムジ。
黒檀の八角箸をよこから見た図