洋服は読んで字のごとく洋の服、つまり西洋の服。もともと洋服がネイティブでない日本の洋服屋にとって洋服がヨーロッパで着られている状況を目に焼き付けることは日本の洋服が独自なガラパゴス化しないため重要です。バイヤーや出展者たちが自分たちのイメージする洋服を着るという隠れたドレスコードがあるピッティウォモに参加することは脱ガラパゴスするための貴重な体験となります。
その体験をさらに深化させるのはアートでしょう。色使い、表現、バランスなどアートと洋服は似た部分が多いのです。フィレンツェはそれまで職人が書いていた絵をメディチ家によって芸術に昇華させたいわばアート発祥の街。そのフィレンツェでピッティウォモが開催されるということはアートと洋服の幸せな関係のメタファでしょう。
その関係性に気づいてからはピッティの合間の美術館訪問を続けています。
二日目ピッティイマージネウォモ会場に向かう前メディチリカルディ宮の前を通った時、展覧会が開催されていることに気が付きました。ギリシャ神話のオルフェウスについての絵画を集めた展覧会でした。興味があったので入ってみましたら、宮殿の中はとても美しくびっくりしました。大きな展覧会ではありませんでしたが、オルフェウスの物語に沿ってキリコ、ブリューゲル、レンブラントの絵画など集められていて、西洋絵画の大きなテーマにギリシャ神話があることに改めて気が付きました。
別の部屋で小さな展示が行われていてみると、なかなか素敵な絵が展示してありました。リカルド インノチェンティといいピノキオ、シンデレラ、政治的なテーマとしては、ホロコーストなども描かれていても面白く、童話作家のようで、その童話本があったので買おうとしたら、本日その作家が来てサインをしてくれると言うのです。すぐ買ってインノチェンティさんにlサインをしてもらえました。こんな旅の出会いも楽しいものです。
リカルドインノチェンティ作