昨日は天気もいいからか朝からお客様が来店がひっきりなしの忙しい日だった。仕事も終わりかけの六時過ぎ、今晩が町内会の総会、懇親会だったことに気付き、徒歩一分のホテルガーデンパレスにむかった。町内会に副会長としてお手伝いしはじめてからもう10年はたつ。たいしたことをやる訳ではないが、回覧板のお世話、近隣の町内とのおつきあい、文書の作成など、ちょっと時間を割けばできることなのでずっとやらせてもらっている。わが町内会は名古屋市が錦、丸の内、泉などという無機質で歴史をまったく感じない町名に変更する以前は宮町と言っていたのでいまでも町内会の名前は宮町親和会という。以前ブログに書いたことがあったがわが町内は名古屋最古の十字路に存在する。
会長の鈴木さんは江戸時代の清洲越し以来ずっとここに存在する名家。我が家は昭和二十年代祖父と祖母が、熱田区沢上からこちらに越して来たので会長さんにくらべれば新参者といえる。当店の今の場所は、ちゃんとたしかめたわけではないが父親から伝え聞くとかって糸問屋のあった場所で現在興和株式会社のゆかりの土地だったそうだ。現在でもとなりは興和所有のパーキングビルがあるのであながち間違ってはいないだろう。もしそれが本当なら日本の産業史に燦然と輝く石田退三氏も興和の前身の会社におられたとこのことでこの周辺をかっては歩いていらっしゃった可能性もある。いずれ自分史としてもくわしく調べてみたいものだ。
さて総会では毎年、司会をおおせつかっているが、べつに小難しいことを言う人もいないのでサクサク議事進行して10分程度でおわりあとは懇親会。まわりをみわたすと私が一番若いので老人会のお世話係のようなものだが、町内の人と飲みながら、ああでもない、こうでもないと話すのは案外楽しい。場所柄、レジャービルのオーナーも多く、地価の高いこの地区で大きな物件をいくつか所有するリッチマンもいらっしゃる。仕事やお金のこと、銀行さんとのつきあい方、などなかなかほかでは聞けない貴重なおはなしも聞かせていただく。近隣の方々にみっともない姿を見せてはいけないと総会ではちょっとは緊張もしていたがアルコールがまわるとなんだか腹を割って話も出来る。参加者は総勢20人程度のちいさなあつまりだったがどんどん話の花が咲く。シメのあいさつが終わっても話が尽きる事が無い。派手な方はひとりもいらっしゃらないがみんな陽気な方がたばかりだということに気がつく。かっての優秀な同級生たちの多くは故郷をはなれ首都や世界で活躍する。しかし親と同居もできず近隣とのつきあいもむずかしい。学校の成績も芳しくなかったわたしだったがずっとここにすんで町内の方とつき合いながら街で暮らすことができるのは実はとても幸せなのかもしれない。
宮町、ここが我が故郷
懇親会でいただいたお料理。