昨日ブログに書いたロロピアーナ社ウインタータスマニアンを買い付けた後、ロロピアーナのスタッフの労をねぎらう意味で、連れ立って我が家の近くの「楽」を訪れた。名古屋はかしわの隠れた産地ではあるということは名古屋コーチンでも有名である。そのコーチンを古く伝わる八丁味噌ベースの鍋で食べさせるのが「楽」。出張で来た東京、大阪の方にも非常に人気の高い店だが、多くの方が勘違いされているが八丁味噌ベースではあるが八丁味噌とは全く違う味。名古屋の名料亭「幸楽」の出の女将が誰にも伝えず(たぶん夜中に)ひとり味噌を練ってつくるのがまさに秘伝の八丁味噌ベースの味である。食べてみると味噌のようなすき焼きのような絶妙な甘さの味わいで、ときどきここの門をくぐりたくなる。ロロピアーナのスタッフも来たことはないというので予約をしてみたらなんと満席の日が多い店なのに大丈夫だった。まず霜降りとモロコの焚いたものでビールを一杯、ノドを潤してから鍋が始まる。鍋の前には酔狂で生ネギに味噌をつけいただく。つんとした辛みがさわやかでそのころにはもう芋焼酎にかわっている。たぶん昭和初期から使っているこぶりの鉄鍋に鶏の脂を熱したもので野菜を焚きそして肉を入れる。お世話してくれる女性の手さばきにみとれていると鍋が仕上がる。とりわける小皿にたっぷりと汁をいれて煮上がった鶏と野菜をいただくとそれこそ「楽の楽しみ」。鍋が終わると味噌で卵を少し煮てご飯に乗せていただく。これもまた「楽の楽しみ」、最近のぽっと出の名古屋メシではない真の名古屋の悦楽かもしれない。ロロピアーナのスタッフも至極満足のご様子だった。
「楽」