今回はセントレアから成田、シャルルドゴール、ミラノリナーテと乗り継いでいく計画だったので懸念されたのはロストバゲージだった。だからスーツケースにはほとんどなにもいれずに手荷物に大事な物や着替えを入れておいたが着いた空港ではありがたいことに問題なく荷物が出てきた。ミラノはリナーテ空港とマルペンサ空港と二つの空港があるが郊外のマルペンサに比べリナーテは市内にあるので近くタクシー代もとても安くすむ。予約しておいた駅近くのホテルにチェックインしたのは現地時間午後8時半。すごくおなかがすいていた訳でもないが夕食をなじみの駅近くのレストラン「アルトパッショ」に出かける。ここは8年前ミラノ駐在の日本人に紹介された店だがここを知ってから町が無機質であまり好きではなかったミラノが今では好きになったというほど気に入っている店。日本人の客もよく見かけるがわたしはいつも行くのでカメリエーレとも顔なじみになった。少なめに茹でエビとアーティチョークのサラダとパスタ2種を頼むが食欲が開花しここに来たら食べなくてはと追加でミラノ風カツレツを頼む。ここのが私は一番好き。
1/12ヨーロッパに旅するとき夜遊びは絶対しない。夕食のあとはホテルにいつも直帰。ホテルに帰ると失神するがごとく眠り夜中に必ず起きるペースをいつもつづけている。この朝は4時に起床後ブログの原稿を書いたりイタリア語の復習をしたりバスタブにゆっくり浸かったりして時間をすごす。7時20分の一番早いフレッチャロッサ(赤い矢)を予約したのでホテルで朝ご飯は食べられない。荘厳な教会ともおもえるムソリーニが作ったミラノチェントラーレ駅のバールでカプチーノとサンドイッチで朝は軽くすます。出発の時間が迫っていたフレッチャロッサに飛び乗る。今までフレッチャロッサには何度も乗っているがミラノからボローニャまでは線が新しくなったのかめちゃめちゃに速い。なかでウェブも使えて時速が出るがなんと280km/h。ミラノからボローニャを経由してフィレンツエまでなんと1時間45分。以前はユーロスターでも三時間かかっていたのでもうすばらしく楽チン。ボローニャ駅に着く前に日本のランクロージング中村氏から携帯が鳴りランクロージングの初代社長の浜田義信さんが亡くなったという知らせ。浜田さんはオーダーサロンタナカにとって特別意味のある方だ。1970年代末頃は工場制オーダーはイージー(安易)オーダーと称されハンドメイドと比較すると蔑まれていたがテーラーのいいところを工場生産に取り入れまた後にナポリ仕立てにより本格的なかたちになるソフトテーラリングを先駆的にとりいれ地位を高めた方。以前つきあっていた尾張地方の縫製所と縁を切り浜田さんひきいるランクロージングに全面的に縫製を依頼してから当店のスーツの品質が飛躍的に高まった。身体を壊されているとは聞いたが浜田さんともいっしょに乗ったミラノ、フィレンツエ線で逝去の知らせを聞くとは縁の深さを感じた。
バリオーニに荷物を置いて裏地の名店マリックに行く.。そこでWIFIをお借りしてここを更新する。マリックの店主アンドレアは本当に家族思いの誠実な人だ。そして無類のアップル好き。マックのスペックのことについて話すとマニアックで怖いくらい。家族を大事にしてアウトドアではBMWの1200ccのバイクを郊外で乗り回すナイスガイだがおもわすおタクと呼んでしまいたいほどだ。これからはfecetimeで話すことにする。楽しみ楽しみ。