12月に仲間に豊田のロータリークラブで80人の前で洋服について30分話してくれと言われた。
即、断ったが、何度も頼まれたので自分自身のステップアップにもなるしやってみようかなあとお引き受けした。
そのためにプレゼンを試みるためmacbookairも買ったし(というかそういう理由でもないと買えない)人前で話すのは慣れないのでアマゾンで「人前に話すのが楽になる5つの魔法」という本も買い準備していった。
今月にはいって準備をはじめ昨日は1日使って原稿を整理したりプレゼンのためmacのプレゼンスライド製作アプリKeynoteをいじって資料を作ったりしていた。
テーマはロータリークラブの年齢層も考え「スーツは50才から」と題し、自分の店の宣伝はほとんどせずにスーツの着こなしにしぼって話を構成していった。原稿用紙は20枚くらいになったのでスライドを写しながら試しに読んでみたらなんと大幅にオーバー。これはいかんと思い、削除につぐ削除で、内容を半分にへらして当日の今日を迎えた。かなり準備をしたのでなんだか楽しみになって来たのも事実。本当にあっという間に終わってしまった。macbookairも快調に動いてくれた。あーほっとした。
話した内容の要約 2012/2/9
おしゃれについて語るということは照れくさいこと。おしゃれのことだけを考えている男は浅い、器の小さい人間とも考えられていることも洋服屋のわたしにとっても理解できること。 洋服の本場、英国にも Clothes do not make the man.衣服は紳士を作らずという格言もある。服だけでカッコつけても中身が伴わないとそれは紳士とは言えない。
しかしおとこがせっかく良い仕事をしてもぱっと見で正当な評価を得られないというのもさびしいこと。今回はスーツ、ジャケットの着こなしのアドバイスをいくつか紹介したい。
スーツというのは年を重ねてきてはじめて似合うようになるという面白いもの。スーツが似合うようになるには生きてきた年輪がどうしても必要になる。就活中の学生さんの姿をみると95%が黒を着ている。似合わない黒から社会生活をスタートして仕事を覚え家庭を持ち、人の上に立ってくと初めてストライプのクラシックなスーツが似合うようになってくる。分別もあり判断力もある。そういう魅力が50歳以上の男には潜在的にある。日本の50才以上の男は楽しいこともいろいろ知っているしまたその楽しさにに溺れていない。なにより考えかたに余裕があり分別のある人はとても魅力的なもの。スーツスタイルを競う上では50才以上の大人はアドバンテージがあるがやはりすこしは着こなし術を更新する努力をしないとこの年輪の魅力と言うかアドバンテージは開花しない。
ヨーロッパの貴族の服が英国の王室を中心に昔の貴族のおおげさな装いからだんだん洗練されてシンプルに簡略化して進化して現代のスーツになってきた。このスーツの歴史に重要だったのがロンドンの中心近くのセヴィルローと言われる街。セヴィルローのテーラーに英国王室はじめ世界の王侯貴族、成功者達が競ってスーツを誂えて、ここの作りがクラシックスーツの基準になってきた。そしてナポリ仕立ての影響。テーラーが隆盛なナポリではセビルロウとは違う柔らかく、縫い目がたくさん見えたりシワはあるけど肩パットが少なくアイロンの技術で服地をのばしたり縮めたりして仕立てた着心地のいい服が作られてきた。以前はナポリの服は田舎紳士の服と思われてきましたがその着心地のすばらしさが再評価され1990年頃から世界の紳士服に大きな影響を与えてきた。 現在英国の紳士服もヨーロッパの服作りを学んできた日本の洋服もナポリ仕立てから多くのことを学んで現在21世紀のクラシックスーツができた。
スーツも21世紀仕様になったので着こなしも21世紀仕様に更新していくべき。これから50歳以上が若い連中にさらに差をつけていく道は着こなしで勝つということ。
そのための着こなしのポイント
1.ポケットチーフを使う。
2.パンツをすこし短めして革の紐靴をはく。
3.シャツはワイドスプレッドを選びカラーの先がVゾーンから見えないようにする。
4.ネクタイの締め方はウインザーノットはやめダブルプレーンノットにする。
5.vゾーンの2つをストライプにする。
その5つのチェックポイントから見た各国首脳のファッションチェック。
参考文献「スーツの適齢期」片瀬平太、「男の服装術」落合正勝、「狼が連れだって走る月」管啓次郎