ずっとじめじめした梅雨が続いていて、毎年この時期に楽しみにしている山登りはおあずけ。今週の水木すこしは天気がよさそうだから山登りの師匠、同級生モリカワに電話したら、八ヶ岳連峰のひとつ天狗岳に登山はどうかと提案してくれた。さっそく麓の宿に電話をしたら空きがあるということで予約。23日の朝9時、モリカワ隊長夫妻とは宿の前で現地集合。当家の参加者はわれわれ夫婦と帰省中の娘。合流後さっそく登山靴に履き替え登り始める。
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元気にスタート
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まずこんな道をずっと。

登り始めは標高1880mと標高計の付いた腕時計が知らせる森林の中を1時間半ほどあるくと展望台につく。このあたりで標高2300m。しかしガスのなかでほとんどまわりは見えない。我々は休みたいばっかりだが登山のベテラン、隊長先をいそぐ。尾根伝いに歩くと次の展望台に着き、目的地天狗岳の姿が見えてくる。
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登るべき山、天狗岳が雲の合間から見えてきた。
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さあ天狗岳登頂まであと少し。
岩場で丸い印が付いている登山道が見え、そこに登る登山者もいることがわかる。さあがんばって岩を登ろう。岩を登るとハイキングではなく「登山」なんだなと思えてくる。乳酸が太ももに溜まったり、岩の隙間に足をとられたりして隊長のようにうまくは進めないのが忸怩たる思い。しかし一歩一歩愚鈍ではあるが歩を進めると目的地につくのが人生にも似ている。2630m天狗岳に登るとすこし晴れてきた。お待ちかねの昼ごはんを済ませ、周りをみると次の目標の東天狗岳、硫黄岳も見える。
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むこうにみえるのが東天狗岳
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硫黄岳も見える。
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モリカワ隊長と。
東天狗岳までは遠いようだが案外すぐ登れた。さて帰り道。隊長は行くべき道を指ししめし2時間ちょっとの道だという。しかしここからが厳しかった。花崗岩質のごろごろした岩を伝っての下山、前日までの雨で岩はウェット。すべりそうな雰囲気を醸し出している。尾根を落ちることより足を取られて転ぶと骨折は必至。そう思うとなんだかバランス感覚に不安が生じるのが自分の弱さ。へんなところに力がはいるからか足もツリ気味になってきた。次の目的地黒百合小屋までなかなか着かない。
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苦難のはじまり。
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ここからの下り道が厳しかった。娘とヘリコプターで救助ってお幾らくらいかなという話題もでる。
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やっとのことで着いた黒百合ヒュッテ
1時間ちょっとのつもりが2時間以上かかった。黒百合小屋で飲み物を補給し最終目的地の唐沢鉱泉を目指して森林地帯をとぼとぼ歩く。かなり下ったかなと思っても腕の標高計は下がらず、2000m
はなかなか切らない。するとむこうのほうがだんだん明るくなってきたので目的地が見えてきたとおもったら幻影だった。隊長は幻影が見えたら登山もいっちょまえだと嘘かほんとかわからぬことをおっしゃる。だんだん夕食のことで頭がいっぱいになってくるころ、隊長がこの苔むした倒木の風景が八ヶ岳の魅力のひとつなんだなーとおっしゃる。京都の人工的な苔でなく自然にむした苔の美しさにもはっと気がつく。鹿にご対面したりグリーンフォレストの美しさを味わえば足の痛さも癒えてくる。到着予定時間の午後五時も30分も過ぎた頃、こんどは幻影ではない宿の屋根が見えてきた。やっと娑婆についたと言ったら、娘がシャバってなにー?駐車場のこと?ととぼけたことをいうので娑婆の意味をグーグルで見せてやろうとおもったがもちろんこんな森の奥には電波など飛んでいない。鉱泉の美しい源泉を眺めながらやっとのことで宿に着く。行程タイムなんと8時間半でした。着いたときにはもう登山なんかまっぴらと思いながらこのブログを書いているとまた行きたくなりました。
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鹿とご対面
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こんな苔むした温帯雨林
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作り物のようだが天然の姿
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宿近くの鉱泉源泉