朝5時40分名古屋駅発亀山行き関西本線にひとり飛び乗り高野山へ向かう。
いつか高野山に行きたいという思いあったが名古屋からは行きにくい。でも青春18切符なら楽しめる。
名古屋、亀山、王寺、橋本、極楽橋、最後にケーブルカーで高野山と乗り継いで5時間で到着。
一日前にJTBのサイトで宿坊を予約。お盆の時期だが一泊二食で11500円でとれた。幸運。
空海、弘法大師はあこがれのひと。日本が誇るジーニアス=天才。
司馬遼太郎「空海の風景」を読んで弘法大師のことに興味をもった。
友人のスギハラも真言宗豊山派の名刹知多妙楽寺の住職という縁もある。我が家は西本本願寺の檀家なれど
昨年スギハラの導きで豊山派仏教青年会主催の結縁灌頂を受け弘法大師への思いが高まった。
わたしは占い、霊、スピリチュアルのたぐいには全く興味がない。しかし徳の高い師、先人、聖人ゆかりで人々が慕い集う神社仏閣教会にはこころ惹かれる。
高野山、ここは標高800Mなれど到着してみるとまったく山という感じはない。
頂上がひろいためか山岳というより普通の町のようだ。まず奥の院に向かう。
天才である弘法大師が眠る奥の院はここを訪れた人すべてが行くべき場所。入定といい弘法大師は
まだその場所奥の院でじっと定まり生きていらっしゃると真言宗では考えているのだ。ひとは必ず死ぬ。弘法大師といえどもその定めは免れないが信仰上そういう事になっている。
杉木立のなかに大名達などの墓が林立している。戦乱の世を生きてその後は大師の懐で眠りたいという願いを
強く感じる。その間の杉の巨木の小径を抜け奥の院に歩を進める。
お盆のため善男善女の来訪も多い。奥の院の前には玉川が流れその向こうは聖地で写真も禁止。そんなあこがれの奥の院で感激を新たにする。
それから真言宗の高野山派本山金剛峰寺を訪れ大師教会で受戒の儀式を受ける。嘘をつかない、盗みをしない。など人の道の基本である十善戒を真っ暗なお堂の中で授かる。密教の儀式は受けてみるとその素晴らしさに驚く。五感で仏の道を実感できるのだ。5月にここでも結縁灌頂の儀式がある。つぎはぜひ家族で来たい。金剛峰寺の有名な壇上伽藍をおとずれそのあと宿坊に向かう。
今回の宿坊は遍照光院さん。旅館のようなきれいな個室でゆっくりできてありがたい。夕食はてづくりの精進料理を部屋で頂きその後夕べに高野山を散歩。25度くらいの山内はどれだけ歩いても苦にならない快適さ。灼熱の下界と大違い。歩き疲れて眠りにつく。夏でも清浄な冷気の中こころから安らかに眠る事が出来た。
宿坊の遍照光院さま
宿坊の部屋、お掃除がいきとどいて気持ちいい。
次の日、奥の院で早朝行われる弘法大師にご飯を供える儀式を見るため5時起床。高野の空気、下界とは全く違う。来てよかったなとほんとうに思う。それから6時から宿坊の本道で厳かにお勤め。朝食の後、濱田屋さんで母親の好物の胡麻豆腐を買い、帰途につく。高野山から新今宮までは南海電車を使ったので楽だった。
途中大阪駅で串カツをさかなに瓶ビール大2本で精進落とし。凡人故これはこれでしあわせなのだ。
午後4時過ぎには名古屋駅に着く。これからも青春18切符で旅をしよう。人間旅するために生まれてきた、そんな気分の8月。