緊急事態宣言のもとで6月がやって来ました。コロナ禍で日本中に感染がおさまらないわけで、われわれの住む街も繁華街なので人の往来はあり、リスクは存在します。それでも家族でワクチン接種完了したものもいて、おかげさまで元気に過ごしています。飲食店でのアルコール禁止といっても禁酒法が制定されたわけではないので、自宅で料理をこしらえて家飲みを楽しんでいます。もちろんこの状況なのでご来店のお客様は減っていますしさまざまな不自由なことはありますが、迫る戦火におびえているわけでもなし、大規模な自然災害があったわけでもないので「緊急事態宣言」の言葉は正直わたしにはリアリティはありません。緊急事態宣言のもとでも間違いなく日本の暑い夏はやってきます。名古屋のビジネゾーンで働くひとたちもマスクをしながらも街を行き交っています。

昨年までで環境省が主導する「クールビズ」はおわりましたが、夏の暑い中、ビジネス上ドレスコードの縛りでスーツ・ネクタイを強いることは無くなったはずです。スーツを着てネクタイしないスタイルは20数年前、ヨーロッパから「センサ・クラバッタ(伊語)」=without necktieとして伝わりました。それまでクラシックスタイルにはネクタイは必須でしたが、スーツでネクタイをしないどこか自由な雰囲気が若い男性から支持を受け、ひろがってきました。いまも街を歩くスーツスタイルの男たちの多くはネクタイをしめていません。

ただ「クールビズ」の期間中はどことなくネクタイ着用を自粛=禁止しているようで、クラシックなスーツスタイルが好きな方はネクタイをしめると白い目で見られるからツライという妙な空気感はありました。お店には実は夏でもビジネスではしゃんとするからネクタイが好きなんだというお客様もよくお越しになります。かく言うわたしもジャケットとシャツとのVゾーンを彩るネクタイが好きで、酷暑の8月を除いてずっとネクタイを締めています。クールビズが終わった今、クラシックスタイルを愛する男たちがネクタイを締める権利」を取り戻すのをちょっとだけ期待しています。

本日のスタイル。VBCウールリネンのジャケットにステファノビジのネクタイ「ガーゼ」をあわせて。シャツはコットンリネン。