10年近く前からでしょうか、イタリアフィレンツェで開催される世界的メンズファッション展示会ピッティウオモの会場でジャケットをデニムで合わせる着こなしを見かけるようになりました。それ以前はウールかコットンのパンツばかりでしたがデニムパンツに合わせる事によって、ジャケットの素材感、またエレガントな雰囲気に対してデニムの自然さ、ユーズド感のギャップが楽しくおしゃれに幅がでてきます。
デニムにジャケットを合わせるポイント
- デニムを着る事によってドレスダウンしていないということを着こなしのなかで表明する。つまりポケットチーフやラペルホールのアクセサリー、またはネクタイを締めるなどきちっとした着こなしの要素をいれてみたい。
- 上着の丈をやや短めにする。これはデニムであわせる必須条件とも言えます。ただし極端に短くしすぎるとどういうわけか安っぽい既製品に見えてしまうのが不思議。やや抑えめに短くして主張しすぎない「普通のジャケット」にみせるところがビスポークの際の重要ポイントとなります。やり過ぎ注意。
- デニムはブルー。でもユーズド感があるため一本のパンツのなかにブルーの濃淡があります。ですから通常近い色を合わせるのは難しいと言われますがデニムなら写真のように近い色のブルーや紺ジャケットを合わせても大丈夫。そういうジャケットの合わせを「グラデーション」といいます。またブルーデニムにブラウンに合わせコントラストを引き立てるやりかたももちろんオッケーです。
袖からカフスがちらりと見える袖丈、上着丈70で仕立てたロロピアーナWISH170をデニムと合わせてみた。ポケットチーフとラペルホールにバッチを付けて。
だいたい同じ寸法のジャケットで中も同じだが上着丈74だと全くデニムに合わずオヤジっぽい。袖丈が長過ぎるのもデニムに相性が悪い。ちょっと短めがいいかも。