人生初めてといってもたいしたことではなくグリーン色のジャケットを仕立ててみた。グリーンのジャケットというのはアメリカジョージア州オーガスタで開かれるマスターズトーナメントの優勝者が着る「グリーンジャケット」が有名である。スポーツジャケットの多くはブラウン系なのでグリーン系の素材は決して多くはない。そんな少ないグリーンの素材だったがイタリアロロピアーナ社の冬の人気素材「ウール90%カシミア10%」のコレクションの中良い感じのグリーンへリンボンがあったので年末に着ようと仕立ててみた。三つボタン段返り、胸はバルカポケッットで脇はパッチポケット、コバにはAMFステッチをあしらい、総裏、裏地はフィレンツェの裏地店マリックのグリーンを使った。ディテールについては当店で仕立てたジャケットとしては極めて普通のものだが違うところと言えば牛革エルボーパッチをあしらい、衿幅をほんの少しだけ広めにすると小顔に見える効果と胸幅が大きく見えすぎない効果があるので実験的に衿幅を9.3cmにしてみた。しかしいつも指定している8.7cmとそう変わって見える訳ではない。このくらいなら大丈夫と確証を得た。マッチョな方にはこの技は使える。

以下は2012/12/17記述
英国ではグリーンのスポーツジャケットは初春の色だそうだ。秋が始まり年末までは枯れ葉の色のブラウン系を着てお正月がくると若葉の色であるグリーンを着る機会が増えるそう。そんなことをこのブログを見たお客様から教えていただいた。そのお話を聞いて新年の装いはこのジャケットにしてみようと思った。
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