5年くらい前だろうか。ロロピアーナ社に訪問した際に、ひときわエレガントな素材を当店にもと購入したのが「TOP LINE
 1pp wool
」。1987〜1988にイタリアのロロピアーナ社がオーストラリアから買い付けたメリノ原毛の中でいちばんいい物をストックしておいて織り上げたものでその価格はとびきり高かった。ロロピアーナ社の高級羊毛の買い付けは服地部門の総帥ピエールルイジロロピアーナ氏がみずから先頭に立ち、質、量ともに業界他社を圧倒している。つまりいい原料ばかり仕入れた中での最高品質なので「真のトップ」と言える素材でそうとうのマニアでも所有している方はまれではないか。ずっと当店に在庫してあったが、値段も高いのでご来店のお客様においそれとはおすすめできなかったし、 最高の物が欲しいとご来店された方が何人かあったがその時紹介しても柄が極めて普通の白黒のシャークスキンだったせいもありあまり興味をしめすかたもほとんどいらっしゃらなかった。そんなことでこのたびダブルブレストのサンプルにもなるし自分用に仕立ててみることにした。2年前セルジオロロピアーナ氏が来日されたおり、同じ「トップライン」の濃紺無地の3ピーススーツを仕立てたから一張羅part2とでもいうべきだろう。残念だがこれで当店にはもう「トップライン」の在庫は完了したのでお客様におすすめすることはできない。

実は明日、中学校の入学式がありPTA会長として新入生を前にあいさつしなくてはならず、その時着用する事を考えている。娘は中学はもう卒業して高校生になりその中学にはいないがPTA会長として最後の大事なお役目が入学式挨拶となる。先日、女房のお母様が浜松から来たおり、PTA会長をひきうけた事についてとても褒めていただいた。曰く、なかなか出来る事ではないし大勢のみなさんの前で挨拶するという事は人間がひとわまりおおきくなるとのこと。そんなこともないだろうが女房の家は両親ともPTA活動に熱心に取り組んでいてお母様も母親代表の経験もあるからそうおっしゃるのだろう。入学式、卒業式というのは学校のもっとも大事な行事。そんなときにいいスーツをおろすというのはふさわしいと思うのだ。
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ダブルブレスト6ボタン4つ掛けでしたてた。仕立ては本バス芯と毛芯を縫い付けてある 当店の通常ラインで最高級の服地でもなんら変わることはない。
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裏地はマリックのキュプラ100%。TOP LINE 1pp WOOL best clip 1988/1987の文字が織り込まれている。
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ダブルブレストのラペル巾は極端に太くせず10cmというおだやかなワイドラペルに。