先週山代温泉にいったのには訳がある。私は名古屋の羅紗屋、つまり紳士服地卸商組合の代表をしているが、今年名古屋組合は全国組合大会の幹事をする番となり全国の羅紗屋さんを集めて総会を山代温泉の名旅館「あらや滔々庵」で行った。様々な繊維製品の中でも着物は別にすると紳士用服地が一番高価なものでさらに今でこそ円が高くて価格は下がったが以前は英国イタリアの服地は「舶来服地」といわれ目が飛び出るほど高価だった。そんな高価な素材を扱う紳士服地卸商はかっては育ちが良く、ジェントルマンが多かったので総会等を実施する際にはその末裔である組合員諸兄のお眼鏡に叶うエレガントな場所を選定せねばならない。そういう場合どこを選ぶかだが高い料金の旅館即エレガントとは言えないというのが難しいところ。お値段高く、高級でございというところでも成金ムードが漂い、疑問符がつくような旅館ホテルも存在する。そうではなく長い伝統がありその伝統を今の時代にあわせてすばらしい時間を味あわせてくれる名旅館のひとつが山代のあらや滔々庵さん。2年前に名古屋組合で泊まって参加者全員大絶賛だったのでここをぜひ全国の羅紗屋さんにも紹介したいと思い、今年のはじめ頃から準備をしていた。 
あらやさんは山代の中心「湯の曲輪」という場所に建っている。まんなかに古くからの共同温泉立派な木造の建物の「古総湯 」が建っていてその周りのロータリーを「湯の曲輪」というそうだ。昔の温泉はこういう形式が多かったそうで山代温泉はそれを復元して由緒正しい町並みにしている。午後5時にみんなで入り、さっそく天然掛け流しの温泉に入る。ここの泉質は本当に上質ですぐに身体がぽかぽかしてきてなかなか湯冷めしない。6時から総会でいろいろ協議してから7時から懇親会。心づくしのごちそうを堪能した。これについては写真を見てください。良いお料理でした。デザートは有栖川山荘でいただく。暗闇の中にキャンドルで照らされたセクシーとも言える空間。ここに設えたバーはほんとうに好きな場所であらやさんに寄ったら必ずいく。
次の朝も美味しい食事でちょっとビールをいただくのが温泉に来たときの贅沢。午後11時のチェックアウトまでゆっくりしてから近所の名刹那谷寺、橋立港にある北前船の里などをご案内した。

幹事というのは苦労も多いが良い旅館で良い料理だと喜んでいただけてと本当にうれしかった。

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真ん中に明治時代の建物を再建した古総湯がある山代温泉「湯の曲輪」
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本来は撮影禁止だが誰もいなかったので古総湯の中をパチリ。明治時代の香りがある温泉。
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あらやさんにチェックインすると冷たいお菓子が出て来た。
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どじょうの蒲焼きなど粋な前菜
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いちじくと胡麻ソース
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シンジョウとジュンサイの吸い物
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九谷焼に乗ったお造り
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のどぐろの焼き物
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くわいまんじゅう
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新とうもろこしの揚げ物
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毛蟹の酢の物
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シメにとろろ飯
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有栖川山荘への通路
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有栖川山荘でカクテルなんぞ。
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旅館の朝食は楽しみ。白飯かおかゆか。
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あらやさんの前でお世話になった女将さんと
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那谷寺の絶景
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橋立港 北前船の里