昨年の7月から定休日の水曜に加え第三木曜日を休日にした。ご来店を予定されているお客様からしたらすこし不便になるがやはり月一回の連休は安らぐ日々でこころがリセットできる気がする。

昨日はなんにも予定がなく、名古屋市内は朝から摂氏三十度を超えたためどこか涼しいところに行こうと母を連れて3人でドライブに行く事にした。たいして目的はなかったが以前、息子にお土産にもらった「御岳もなか」がことのほかに美味しく、またその最中は木曽福島の御菓子司・田ぐちしかうっていないということが分ったので木曽福島をめざし中央道中津川インターを降りて19号を北にひたはしる。木曽谷に沿ったこの片側一車線のワインディングロードは名古屋から最高のドライブ道の一つだと思う。 美しい山並みの姿、木曽川の川の景色、日本の原風景である山村の様子が車窓からながめることができる。時々中央線を走る特急が追い抜いて行ったりもする趣きたっぷりの道。途中にはいくつか道の駅があり、道の駅好きの私はついついたちよることになる。そこで地元の野菜をながめ、そのモノの良さと値段の安さにかならず購入する。トマト、きゅうり、なす、万願寺など夏野菜はこの時期新鮮なものにあふれ沢山買っても、イオンなんかで買うのとはまったくちがいまとめても何百円でうれしい限り。ついつい、道の駅がでてくるたびにはいって野菜を選んでしまう。お盆の頃になるとトウモロコシもでてくるだろう。またそのころには訪れるつもり。道を登るにつれて温度計の数値は下がって来て26度前後になるとクーラーを切って風を楽しむ。
寝覚めの床が見えるとすぐ木曽福島、目的の田ぐちを探すと街のまんなかの分かりやすい場所に見つかったがなんと木曜休み。 がっかりしながら行人橋たもとの「くるまや本店」にいく事にする。12時少し前にはいったせいか店の前の駐車場も空いていて店に入っても席が丁度一席空いていてうれしい。蕎麦と言えば酒だがさすがにドライブの最中には呑むわけにはいかない。母一人「七笑」の冷酒と天麩羅の蕎麦種でごきげん、わたしはノンアルコールビールとわさびの酢の物で一杯のんだつもりとなる。江戸前の洗練された蕎麦もいいが、蕎麦は元々飢饉を救うために植えられたもので田舎の蕎麦が原点だとおもうのでしっかりしてなおかつふくらみのあるここの蕎麦はことのほか気に入っている。蕎麦ではらごなししたあとは店の前の木曽漆の名店「よし彦」で器や箸などを物色。ここは母もおきにいりの店でここで買ったものはながくお気に入りのひとつになる。今回はコウヤマキでつくった風呂の手桶と料理に使うしゃもじを入手。また料理が楽しくなるだろう。
駅の近くの土産物店で探してもめあての「御岳もなか」は無いので帰路につくことにした。まだ帰るのには早いと思い、上松町で19号を右にそれて御嶽山の姿を拝む事にする。緑の森の中の曲がりくねった道を10分も走るとまだ雪をいただく御嶽山の雄大な姿が見えてくる。

木曽のなあ中乗さん
木曽の御嶽山はなんじゃらほい
夏でも寒いよいよいよい、
よいよいよいのよいよいよい

ハンドルをにぎりながら子供の頃おぼえた木曽節をくちずさんでいると牧尾ダムまで4.8kmの看板があり、まだ訪れた事が無かったので向かってみる。
少し走ると木曽名物百草丸の工場がありそこを過ぎて橋を渡っていると左にロックフィルダムの牧尾ダムが見えてくる。「黒部の太陽」を見て以来、ダム好きの私は萌えてしまう一瞬だった。 坂を上るとダム湖が見えてくる。ここは愛知用水の取水地であり名古屋市、愛知県の水がめである。われわれは日々はなにも気にせずに都市で暮らしているが沢山の人が暮らすという事は巨大なインフラが必要になるわけで先人達は木曽の地にこの巨大なダムを造りわれわれが安心して住めるようにしてくれたわけだ。いまでは公共事業というとなにか悪い物と思っている人も多いが、東名高速や新幹線などわれわれの暮らしに直結するインフラを昭和のひとたちが築いてきたことに木曽の地の巨大建造物をみて思いをはせた。

このあと訪れた三岳道の駅はけっして大きくないが地元のおばさんたちが共同で食べ物をつくる工房「グルメ工房」がありここでつくられたこころのこもったお寿司、食べ物、野菜など買い物を楽しむ事ができた。
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日本一ののれんも誇らしげくるまや本店
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ふっくらとしか形容しがたいここのざるそば。好きです。
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江戸の街道にあった店そのままのくるまや本店
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くるまや本店のまんまえ よし彦
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愛知用水の取水地 牧尾ダム ダム湖
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ダム湖にある公園、こういう誰もいない場所がほんとのリゾート
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下からながめるロックフィルダムである牧尾ダム