昨日、中部国際空港の税関検査を済ましたあと今回の旅での使命を完了したパスポートが机の上にとりあえず置かれている。日本人としてふつうに過ごす日常ではパスポートの必要は全くないが外国への旅の間は自分がどういう人であるかアイデンティティを証明するものとしてパスポートの携帯が義務となる。なにか事件事故があったときだけではなく例えばホテルに泊まるのにまずパスポートが必須のヨーロッパでずっとジャケットのポケット奥底に携帯していて上からときどき手を触れてあることを確認していた。これによって行路の安全を保障されているわけで一週間旅をして安全に帰国できたのはこの日本国が発行したパスポートのおかげでこの赤い表紙にあらためて感謝した。このパスポートを持っているからといって普通のときに日本の大使館、外交官からVIP扱いされる訳ではまったくないがこれを持っている事で間違いのない日本人だという事が証明されるということで充分ありがたい。イタリア人と話すとどこから来たと聞かれ、胸をはって日本から来たとこたえることができるのはアジア人のなかでそれなりにリスペクトされていることをなんとはなしに感じるから。日本は国民全員が文字を正確に理解し加減乗除が判らない人などまずいない。全国どこでも治安が保たれていて毎年物価が何倍も上がる事無く安定した暮らしをすることが出来る国はあたりまえのことはない。先祖先人たちのしっかりした国づくり人作りのたまものである。我が国には中は彫刻や財宝でかざられた偉大な石造りの宮殿や豪壮なパラッツオといわれる建築物はほとんどないし、イタリアの街の美術館で壁一杯に飾られている西洋絵画などはほとんどなく古いものでも木と瓦でできた建物しかない日本。とはいえそういう欧州文化は何百年もの王侯貴族による他国や自国民から搾取や略奪により成り立っていると言える。そういう偉大な遺産がないということが誇るべきことでもある。昨年遷宮のあった伊勢神宮のように20年で生まれ変わる聖地をもつ日本である。ヨーロッパ、イタリアのの良いものを一週間見て自国の良さをいまさらながら感じる朝だった。
赤い地に金の菊の紋章のありがたさをいまさらながら思う。
今朝は内装業を営んでいるセキドにたのんで店内の床のカーペットの張り替え工事をしている。前回タイルカーペットを変えたのは10年以上前だった。毎日掃除を欠かさないのであまり劣化をしていないとおもったがやはり月日は隠せない。良い服地をつかい良い服を仕立てに来店されるお客様を待つ店は清潔にしなくては感じている。今回は試着室のカーテンも新しくした。お金をかけて内装を一新するようなことはできないが毎年毎年すこしづつ手入れを怠らず、どことはなく感じのいい店にしたいものだ。
当店、ただいま床張替中。まるでカイユボットの絵のように。
床のカーペットの交換完成いたしました。
シボシボのあるの表地で裏にはシャンタンのライニングをつけた新しいカーテン。気に入っている。