貧乏性なんだろう、旅に出るとつい過密な予定を立ててしまう。だいたい早起きだから朝7時前の暗いうちにホテルを立ち別の街にむかうことになる。でも今回の旅は年齢も55才になって若くもないのでそういうクセをやめてすこしゆったり過ごしたかった。ミラノ中央駅からフィレンツェまでの特急「赤い矢号」は昼過ぎの出発を選び午前中ミラノの街を楽しむ。駅近くのお高くなく、かつ快適なホテルミケランジェロでゆっくり朝食を楽しみ、カラバッジョ好きの妻がブレラ絵画館にある「エマオの晩餐」をまだ一回も見た事ないというので出かけた。お洒落の総本山モンテナポレオーネ通りからほど近いブレラ絵画館はすきな美術館の一つでミラノで時間が有るとよく立ち寄る。門から中庭に入るとちょうど修復が完了した銅像の据え付けをみることができた。あやまって壊してもいけないので数人がかりでの作業は慎重をきわめておこなわれていたがこんなのを見る事なんてはじめて。絵画館に入ると絵画への光の当たり方もいい感じで以前よりも美術館内部は見やすく改良されていた。夏に行ったエルミタージュの展示の仕方が、たとえばレオナルドダビンチの聖母の絵二枚が外の光もあたりそうな窓際においてあったりしてあまりに粗野だったからとくにそう思ったのかもしれない。マンテーニャの名作「死せるキリスト」は修復中なのか見る事ができなかったが、中にイタリアタイヤメーカーのピレリ社が寄付した金でつくった外から見える絵画修復ラボラトリーもあり修復の過程も見る事が出来た。古い傷ついた絵画が丁寧に修復するとだんだんよくなっているのがわかる。カラバッジョ「エマオの晩餐」はダイナミックなロンドンナショナルギャラリーの同名作とまた違い、カラバッジョ晩年の暗く静謐な様式で静かな雰囲気のなかにキリストの奇跡が目の前で起こったような臨場感が有る。今回の旅もやはりカラバッジョを見る事が一つの目的となる。フランチェスコアイエツの絵はブレラのハイライトといえる。「接吻」はいつみてもぐっとくるセクシーな名画。騎士と女性の衣服表現もすばらしい。
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修復なった銅像の据え付けに出くわす。あと30cmで銅像が着地するのが判る。

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ブレラ絵画館となりの広場にパレットと絵筆をもつフランチェスコアイエツの銅像がある。
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モンテナポレオーネ通りのブレゲの看板。トウールビヨンだあ。
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モンテナポレオーニの刃物金具の名店、ロレンツイ トリュフ削り。
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モンテナポレオーネで素敵なジャケットを着た紳士にであう。
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アンジェロフスコのとなりにできたおしゃれなカフェ

ブレラを出てからモンテナポレオーネ通りのアンジェロフスコの店に行く。開店前だったのでモンテナポレオーネをぶらぶらして「FAY」に立ち寄るといいセーターがバーゲンでていたので買ったりしていたら時間などすぐ過ぎる。お店の隣にミラノらしい小さいけどモダンなカフェができたのでそこでお茶しながら女主人を待っていたらほどなく現れた。アンジェロフスコはミラノにいくと必ず立ち寄るセッテピエゲ(七つ折り)ネクタイの名店で世界最高のネクタイのひとつだとおもう。女主人とはもうずっと前からの顔見知り。家族みんな元気ですかとハグしながら挨拶したあとネクタイを選ぶ。結局ゆっくりすることなくばたばたしているのがぼくの生き方なんだなあ。そう思って12時10分に飛び乗ったフレッチャロッサは定刻通りに次の駅ボローニャにむけて出発した。時速300kmで走り午後1時55分にはもうフィレンツェサンタマリアノッヴェラ駅に。

アンジェロフスコのネクタイは今回も買い付けました。しかし昨年の一月と比べるとユーロは日本円に比較してかなり上昇したため前回より1200円だけですが価格は高くなりました。(前回は入荷時は19800円)ほんとうにもうしわけありません。

二十数本と数は多く有りませんが、ソリッド、ドット、レジメンタルをいい柄ばかり選りすぐりました。またアンジェロフスコだけではなくほかのイタリア製ネクタイも入荷いたしました。ぜひご来店の上お確かめください。

アンジェロフスコ セッテピエゲネクタイ 一本21000円(税別)1/16販売開始 数量限定
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選りすぐりのアンジェロフスコセッテピエゲネクタイ。
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良いシルクの素材感が実感できるセッテピエゲ レジメンタルは裏にその名称が織られている。 
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アンジェロフスコの女主人と。