ピッティイッマージネウォモでの取材、フィレンツェでの買い付けが完了したのでトルナブオーニを少し入ったところの人気店マリオーニを予約し開店直後に入店。ビステッカフィオレンティーナ、赤ワイン、サラダを注文、ステーキは700gだが実際食べられる部分は400gと完食。まだ八時前だったので外も明るく腹ごなしの散歩にトルナブオーニ通りを南に行きアルノ川を渡る。フィレンツェだけではく京都もそうだが小路には素敵な暮らしがある。小路をさらに入ったところに小さな広場を発見。そこには立ち飲みバー、ジェラート屋、トラットリアがあり外のベンチで老夫婦がやすんだり、恋人たちがキスしている素敵な空間だった。立ち飲みバーの壁にはNo wifi. Talk each otherと書いてある。ホントそうだよねと感じの良い店主と笑いあった。そこの空気を味わっていると日もくれてきた。素朴なファサードのサンスピリト教会を通りながらアルノ川の橋を渡ると信じられないほど美しい夕暮れに出会う。ああまたフィレンツェに来てよかった。

トルナブオーニのホテル、デラヴィレを早朝チェックアウト。石畳みの道をキャリーバックを引っ張りながらフィレンツェサンタマリアノッヴェラ駅へ。昨年までのように弾丸旅行ではもったいないのでピサとジェノヴァに立ち寄ることにした。フィレンツェからピサはそう離れていない。こういう切符はタバッキといわれる駅のキオスクで買える。7ユーロでピサまで一時間。トスカーナの景色を眺めていればすぐ着いてしまう。イタリアの田舎には護岸工事していない川を時々車窓からみるが緑の大地からすぐ水面に移る景色は心惹かれる。
ピサ駅には荷物預かり所があるとネットで調べた。大きい荷物を預けお目当ての斜塔、洗礼堂、ドウオモがある奇跡の広場にバスで向かう。10分で降りるとそこにはテントを張った屋台で安物の衣類やみやげものをうっていて奈良の大仏か東尋坊か安芸の宮島かという風情。城門をくぐると青い芝生に白い偉大な斜塔、洗礼堂、ドウオモが立っていた。同時になにごと?と思うほどたくさんの人がいた。そうか。世界でイタリアと言えばピサの斜塔なんだ。そして人々は何を差し置いてもピサに観光バスでくるというわけ。わたしは十二日前にWebで斜塔に登る予約をしていた。だからスムーズに入れたが、当日券は何時間もまたねばならず多くの方々が登るのをあきらめて下で指をくわえて見ていた。斜塔に入場したら中はがらんどう。 中は入るとめまいを感じるほど 床は傾斜し傾いているのが分かる。細い螺旋階段は建てて六百年以上経っていて大理石の階段も足が当たるところはすり減っている。階段をドンドン登ると頂上に。ピサの市街だけではなく遠くの山まで見えて美しい。ちょうど十二時で鐘が鳴り、ちゃんと鐘楼としての役目を果たしていた。斜塔が傾いたのは地下水で地盤が軟弱だったから。さすがにイタリア政府も危険を感じ、時間とお金をかけて地盤から修復し、現在は登ることができる。日本の五重塔で傾いているのをみることはない。心柱が揺れを吸収する構造の素晴らしさを思い出した。
駅まで帰りは歩くことにした。カバリエリ広場を通るとポルティコつまりアーケードのある感じのいい街が続く。アルノ川の手前ではやっているジェラート屋を見つけレモン味のジェラートで喉を潤す。橋を渡るとイタリア通り。車の流入を禁じ、人々が楽しそうに歩く素敵な通りだ。こんないい通りなのにグループ旅行の観光客は一人もいない。やはりバスで移動するグループ旅行では旅の醍醐味は味わえないなと思う。駅に着いてジェノヴァピアッツアプリンチパーレ駅まで行くフレッチャアルジェント 、つまり銀の矢号に乗り込んだ。

ピッティインマージネの報告は帰国後いたします。

2014-06-18-16-50-09

斜塔
2014-06-18-18-43-03

斜塔の中
2014-06-18-18-51-03

塔からドウオモを眺める。
2014-06-18-19-58-39

カバリエリ広場
2014-06-18-20-20-48

ピサの目抜き通り、イタリア通り