ちょっと前のことになってしまった。
8月21日(金)有楽町駅近く東京フォーラムで松本隆作詞活動45周年記念オフィシャルプロジェクト「風街レジェンド2015」のコンサートが行われた。これはすごいライブになると思ったのでチケットを手に入れた。
午後7時にステージの幕があがるとそこにいたのははっぴいえんど。松本隆がドラムを刻み鈴木茂がギターを弾いて細野晴臣がベースを引きながら歌う歌は「夏なんです」。
一昨年末の大滝詠一さんが亡くなり4人でのステージは永遠になくなったのはわかってはいるが。3人が同じステージに立つなんて夏の終わりのまぼろしを見た気分。

ぼくがはっぴいえんどを初めて聞いたのははっぴいえんどが解散した次の次の年で高校一年だった。「風街ろまん」はほかのどんな日本のグループの音とも違っていた。それからはっぴいえんどが影響を受けたバッファロースプリングフィールド、CSN&Yにも親しむことができた。
松本隆さんははっぴいえんど解散後、作詞家として活躍をはじめ、日をおって日本最高の作詞家となった。わたしの記憶ではそのころは好きだったロック、フォーク、洋楽に対して演歌の大御所が君臨する日本の歌謡曲は違う世界だった。しかしわれわれの住む世界のリーダーのひとり松本隆が歌謡曲の世界を切り開いていって、歌謡曲の歌詞の世界を変えていった。そんな曲のさきがけのひとつが太田裕美「木綿のハンカチーフ」。その日のステージではそんな松本隆が作詞した名曲の数々を、井上鑑、今剛、松原正樹、吉川忠英、林立夫など最高のミュージシャンのバックで聞いた。時代を映したうたかもしれない、時代を変えた曲かもしれない。ともあれそんな素晴らしい音楽を沢山聞けた、2日間だけ(僕が行ったのは初日)の二度と見られないエレガントな時間だった。じつはライブのまえに家で「夏なんです」「風をあつめて」をひとりでギターで練習したりしていたんです。 8/21のセットリストはこちら

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はっぴいえんどが蘇った夜。東京フォーラムにて