かってフィレンツェはメディチ家の金融業と毛織物の製造と流通が盛んだった街。いまでも街の中心共和国広場近くに毛織物業の同業者協同組合の事務所だった立派な建物が現存している。ということで洋服の原点のひとつの場所街だということができる。くわしくは知らないがピッティイマジネウォモもそんな歴史をリスペクトして始められたのではないかとも想像する。
フィレンツェ一番の目抜き通りトルナブオーニを少し曲がったところにひっそりと存在するマリックはそれは美しいキュプラ裏地店。きれい好きの店主アンドレアが丁寧にグラデーションで色合いの美しい豊かに揃ったキュプラ裏地を並べている。キュプラ100%しか扱わないアンドレアのガンコな姿勢も僕の性格とぴったりでピッティ・ウォモに出かけた際は必ずマリックに立ち寄り、美しい裏地を買い付けている。
今回マリックで買い付けた裏地が今日入荷した。美しい色合いの無地のキュプラを追加するとともにペイズリーのジャガード織りが入荷した。ペイズリーは英国の街の名前でそれが名前の由来だが、イタリアではなぜか「カジミア」と言われ、フランスでは「カシミール」と呼ばれる。
イタリアや英国、日本の紳士服地を使って日本でスーツに縫製して仕上げているのが当店のスーツだが、マリックの裏地をオーダースーツに付けるということは洋服の聖地フィレンツェのフレイヴァーをあしらうということじゃないかなと思っている。
バラ色のペイズリー裏地。追加料金6000円でお付けいたします。
ゴールドのペイズリー裏地。追加料金6000円でお付けいたします。
裏地の美しいグラデーションを見ると世界で一番美しい裏地店だと思う。店主アンドレアと奥様。
目抜き通りトルナブオーニを少し曲がったスパーダ通りにひっそりと店はある。