わが街の桜も満開。イタリア、アメリカ、アジアなど世界の桜事情はよく知らないが、この時期の日本は本当に美しいと思う。夕べに近所を散歩すると春の芳しさが大気に充満している。ナショナリスムと笑う人もいるかもしれないがやはりこんな日本がだいすきな私です。
設え、とかいてしつらえと読む言葉がある。掛け軸などはその季節を表すものをさりげなく書けることで部屋に季節を感じるようにする行為なのだろう。メンズ雑誌の「コーデの基礎知識」的な記事には載っていないかもしれないが、そんな季節ごとの楽しみとしてそんな「設え」をスーツの装いにもしてみるのもおすすめかもしれない。この桜の時期だけシルクでできた桜の柄のポケットチーフをしている。華やかに見えるように挿し方は「パフド」そしてネクタイは桜の色で。これはミラノのアンジェロフスコで買ったセッテピエゲ。七分咲きのころころから散るまでのほんの短い期間だけのためにずっと前から準備する。それも悦びのひとつ。
2年前に誂えたスーツの素材ははロロ・ピアーナ130ソフトタッチ。シャツはカンクリーニをクレリックにして。