世の中に星の数ほど音楽家がいてさまざまな音楽を奏でているが好きな音楽というのは人によって千差万別。そんな中でマイ・フェイヴァリット・ミュージックとは子供の頃近所の空き地に自分だけの秘密基地を作ったように、誰にもわかってくれなくていいけどこれが僕にピッタリくるというこころの「秘密基地」なんじゃないかと思う。

そんな好きなミュージシャンの一人、エルヴィス・コステロのライブが東京であり、家族の一人が東京で暮らしているのでその様子もたまには見たいと思い、めずらしくクルマで出かけた。小淵沢で小休止しながら渋滞もなく東京に着く。

エルヴィス・コステロはリンダ・ロンシュタットのアルバム「ミス・アメリカ」の中に入ってた曲「アリソン」で知った。物悲しい女性を恋する男を歌ったその曲のメロディに惹かれ、ときどきCDを買ったりしていたが、2011の3月2日、まさに震災の10日前のコンサートに行ってからこれからずっと聞くマイ・フェイヴァリット・ミュージックになっていった。今回はラーキンポーという歌とギターの巧い若い姉妹二人と共演のステージ。とは言え基本はワンマンライブ、コステロの渋い歌声の魅力がバックの音で消されることなく直接心に響く。ストライプのスーツをさりげなく着て、深いグレーのジレをまとい、前より年月を経た一人の男がギター一本で歌う歌はポップ・ミュージック。ストレートなようで曲がりくねった歌に心うたれる。

好きな音楽にこだわらない、服に興味が無い、それもシンプルでいいかもしれない。でも良い服を着て人生の道を歩くのはきっとそうじゃないよりより良い人生がおくれると思うから。いい音楽を聞きながら人生の道を歩くのはきっとそうじゃないよりより良い人生がおくれると思うから。

ライブの帰り道、渋谷までの地下鉄を待っていたら、偶然、当店のお客様Aさんと遭遇。Aさんもずっとコステロが好きでコステロのライブに通っていて、最近は名古屋でやらなくなったので東京まで見に来るそう。音楽好きの洋服好きがここにもいました。

 
2016ミラノでのライヴ「ALISON」 

IMG_0410
ステージ上には巨大なビンテージテレビ。