旅を長くつづけると、自分にとって本当に大切なものはなにか見えてきます。私の場合、グルメ、自分へのお買い物は今やどちらでもよくなって来ました。航空キャリアの待遇、ホテルライフも便利でそこそこ快適なら過剰な期待はしません。旅の中のパーツをひとつひとつ「断捨離」をした結果、残った一つはは「名画との対峙」でした。
世界で一枚しかないオリジナルの名画に至近距離で向かい合う。絵の中のストーリーを想像したり、もうずっと前にこの世を去った巨匠が伝えたかったメッセージを感じる。巨匠の卓越した技術と発想に感嘆したり。もちろん絵の画像はいろいろな本に掲載されますし幸運にも日本に来ることもあります。しかしその絵が生まれた街並みが今でも残るヨーロッパで本物と対面する「心臓を手掴みされたようなリアルな体験」に旅の価値を見出します。
今回はウイーンを目指しました。ご存知の通り、クラシック音楽の都で、反逆の音楽ロック系の信徒ゆえ今まで縁ありませんでした。でもカラヴァッジョの名作が3点ある美術史美術館を目指しミラノ・マルペンサ空港から1時間半の空路、途中、夏に訪れたドローミティの上空を通りウイーンに着きました。
宿から徒歩15分でお目当ての美術史美術館に着き、まずお目当てのカラヴァッジョに向かいました。カラヴァッジョについてのブログは日を改め、ハプスブルク家の偉大なコレクションを日本語オーディオガイドを携え見ていきます。展示室はまずクラナッハとホルバインの部屋。それからいきなりブリューゲルのバベルの塔をはじめとした傑作群と対峙です。
クラナッハ
バベルの塔 ブリューゲル
世界最初の冬の絵 ブリューゲル
ウイーンに着きすぐに美術史美術館に入ったのが午後1時。お目当てのカラヴァッジョもあるし、そのほかの充実ぶりに、ルーブル、ウフィッツイ、プラド級の超巨大美術館であることを確認して次の日も行くことを決断。まず二日間かけてじっくり見ました。美術すきならここは必須美術館間違いありません。