6月は目の前で季節はもう夏。今日はロロピアーナサマータイムのスーツにトッズのローファーを裸足で履いています。
10年前の6月、ピッティイマジネウォモに開かれたフィレンツェは摂氏32度超えがつづく猛暑。とはいえ寒暖の差が激しく、湿気の少ない地中海気候のフィレンツェ。陽が当たるひなたは暑くてたまりませんが、日陰は涼しく、人々はみな日陰を探してあるいていました。そんなイタリアの広場の景色はまさしくジョルジュ・デ・キリコの世界でした。ピッティに出かけるならとクラシックなスーツを着て、レースアップした革靴とホーズ(長い靴下)を履いていましたが、ふと気がつくと周りにソックスを履く人はだれもそんないません。みんな裸足に革靴もしくはスニーカー。あわててバールに飛び込み、椅子に座って靴下を脱いでまわりの人に合わせました。
初めてピッティイマジネウォモに行ったのは20年前。いまは焼き鳥きんぼしの社長ですが当時セレクトショップのバイヤーだった弟といっしょに行きました。そのとき驚いたのはバイヤーたちは濃紺のスーツに茶の靴をはいていたことでした。ネイビーのスーツには黒靴だと思っていた私にはちょっと衝撃でした。
そしてその後も夏のピッティではスウェードの靴を夏に履いているのにスウェードは冬だけだと思っていた私はびっくりしました。そしてスーツには紐靴かモンクストラップだとおもっていたらローファー系を履いている人が多いのにも気づきました。
クラシックなスーツの着こなしとはホーズを履いて革のレースアップシューズと相場が決まっていましたが、私自身もこういったいくつかの逸脱を重ね、夏の時期ならスーツに裸足でスエードのローファーを履くようになってきました。マニュアル本に従っての端正な着こなしも素敵ですが、さすがに高温多湿の日本の夏、そして周りはクールビズでだれもスーツをきていない中ならちょっとズラしをいれたスーツの着こなしのほうが周囲との親和性を考えるといいかもしれません。